第76回 選句・コメント表   2025年10月
俳句 選句者 点数・記号 コメント・質問・自作の説明
1 おくんちの稽古の太鼓響く宿 村松 長崎くんちまであと半月くらいだったので練習の太鼓の音がどこかから聞こえていた。
五嶋 長崎の旅情を感じます。
手塚 おくんちのお祭りの季節感と長崎感が満載です。
下河原 情緒豊かな宿泊場所がイメージできます。
片岡 季節と土地と、独特の文化が味わえる句です。
月足 お祭り(おくんち=秋)が近づく中、旅の宿で聞く、お稽古の太鼓、緊張感や高揚感に、
実際のお祭りを見る以上の旅情を感じます。
白鳥 「おくんち」とは九州の秋祭りだそうですね。旅の宿で聞く太鼓の音、旅情あふれる句です。
ショルツ 旅情あふれる句。
木原 一生懸命練習しているなあ。本番での成功を祈ります。
白井 唐津くんちかね 我が家の向かいの学生寮(九敬社) から この時期唐津くんちの小さい版の寮祭がある
2 虹纏い雲に映れる機影かな 村松 ブロッケン現象らしいのですが、長崎からの帰り虹色の輪の中に飛行機の影が雲に映っていてちょっと
不思議な光景でした
ショルツ 機上の眺めも旅の楽しみ。美しい一瞬を映しとって見せてくれます。
梅原 きれいな句です
白井 なんか 雨あがりの空 みごとな描写です
廣瀬 機窓から見える雲に自分の乗った機影が映った景色は見たことがありますが、
そこに虹が纏っていたとしたら…本当に素敵なSCENEでしょうね~ 一度見てみたいものです!
町田 虹を纏った飛行機の姿(影)ってどうなっているんだろう、自分の想像力不足が残念です。
片岡 虹は夏の季語とされますが、そもそもが高高度の空の中、雲の上の世界の美しさですね。
月足 雲に映る、虹と自分の乗る機影、とても得をした気分
白鳥 飛行機の影が雲に。虹も出ていて!これも旅心そそられる。
3 恐竜を折る手をとめて栗鹿の子 村松 孫に折り紙ブームが来ていて、恐竜やらカブトムシやら折らされるのですが、集中しても30分くらいかかる。
折り終わって休憩。孫のいる前では催促されるので帰ってから内職のように折っています。
町田 「栗鹿の子」は商品名でも秋の季語になっているのですね。それより、恐竜を折りながら鹿の子を
食べるという趣向が凄いです。
久保田 栗鹿の子おいしいですよね。恐竜との対比も面白い
廣瀬 長野旅行のお土産でしょうか? お孫さんの為に折り紙で恐竜を折ってあげる途中で栗鹿の子で一服。。。
良いですね~
下河原 小さい子供が折り紙をやめて栗鹿の子を食べたのかな?
白井 くりかのこ と 恐竜?と言えば 福井 わかんない
月足 お孫さんのための折り紙をひとやすみして、美味しい栗鹿の子。ぜいたくな時間
白鳥 花より(創作より)団子!
4 秋鰹薬味たっぷり藍の皿 村松 四句め、何も浮かばなくて目の前の皿の様子を句にしました。
カツオは薬味を食べるんじゃないかっていうくらいにするのが好き。
五嶋 皿の藍色含めて、色合いの取り合わせがすばらしい。
木原 脂がのって美味しそうですね。日本酒はかかせない。
美味しそう
ショルツ 藍が鰹を美味しく見せてくれます。
手塚 色鮮やです。写真のような描写ですね
町田 美味しそう!
下河原 秋ガツオ美味しそうです。
白井 高知の料理 あんぱんまんにでてた
月足 藍の皿(長崎だと、波佐見焼がでてきました)に薬味たっぷりの鰹、羨ましい!
こちらも、美味と器がセットになって、旅情を誘います
白鳥 染付の皿に戻り鰹とたっぷりの薬味、目にも舌にも美味しい!
5 秋澄(す)むや黄色が混じる銀杏の葉 五嶋 以下3句は今回も、文庫本俳句入門の基本パターンその1。この本では、まずこの型で1000句作れ(!)
というスパルタ、自分はまだまだか。。黄色が混じる銀杏の木は、崇敬している神社で見ました。
下河原 素敵な秋の情景です。
梅原 やっと秋めいてきた実感の句
ショルツ 残暑が長かったのに紅葉は進んでいますね。
木原 澄みきった空気の中、ものみな美しく見える季節。「黄色が」が少し散文的なので
「黄色の」にした方が良かったかも。
白井 ようやく 銀杏も色づき 秋ですね
白鳥 早くも銀杏の黄葉。本格的な秋はすぐそこまで。
6 露草や社(やしろ)に並ぶ祝樽(いわいだる) 五嶋 松尾社という、日本酒を司る小さな神社にて。京都の松尾神社は荘厳と聞いているけれど、都内の分社は、
こじんまりです。祝樽は、鏡開きで使う菰樽(こもだる)の別名。
村松 祝樽が奉納された神社、露草がよく似合う
ショルツ 秋祭りの情景でしょうか。露草の可憐さとドーンとした樽が好対照。
木原 祝樽がたくさん積んである景を思い浮かべました。どこかで見たような。いい景色ですね。
手塚 露草の季語と祝樽の取り合わせが風情あり
白井 つゆくさの季語は秋なんだ そう 秋の気でゆつがまとうか 勉強になります
片岡 酒樽が壁のように積み上げられ飾られた大きな景と、一隅に咲く小さな露草の対比で、
境内の様子が生き生きと蘚ってきます。
月足 足元の露草、目の前から上方に並ぶ祝い樽。立派な神社の小さな秋
久保田 秋祭りの時期ですね!
白鳥 豊穣の秋を思わせる句ですね!
7 新涼や久方(ひさかた)ぶりの散歩道 五嶋 酷暑の間は、歩くのを控えていた散歩道、やっと歩く気になって出かけてきました。
下河原 Q 秋になり涼しくなり久しぶりにどこを散歩されたのかな?
白井 どこですかね 一連でなつかしい場所で
片岡 ようやくの涼に、散歩コースも長目を選んだ心の弾みが秋らしい。
月足 これまでは歩けませんでした
白鳥 炎暑で散歩にも出かけられなかったけれど、ようやく。
8 青空が突き抜ける日や曼珠沙華 五嶋 埼玉県日高市にある、曼珠沙華/彼岸花で有名な、巾着田(きんちゃくだ)にて。
村松 真っ青な空に映える曼珠沙華 墓参の一日?
町田 とても素敵な句です。真っ青な空と真っ赤な曼殊沙華の対比が色鮮やかです。「や」が効いていると思います。
下河原 「曼珠沙華」と聞くと「涙にならない悲しみのある事を・・・」という歌詞を思い出します。
廣瀬 「青空に~」ではなく「青空が~」という表現が良いです!どこまでも天高く続く青空!
その上の宇宙空間もかくや?と思わせるほど青が冴えわたっている景色が浮かんできました。
もちろん青空バックに映え映えの曼珠沙華も素敵です!
ショルツ 青空に深紅が鮮やか。
白井 そうですね 彼岸花
月足 青空と曼殊沙華の組み合わせもいいですね
白鳥 澄んだ秋空には曼殊沙華がよく似合います。
9 乙女座は気まぐれほらね雲隠れ ショルツ 乙女座が季語かどうか不確かな点、お目こぼしください。処暑~白露の頃のつもりで使いましたが、
この時期の夜空には見えないそうです。つかみどころのないあの人、この人、あ!乙女座だったというわけ。
結果的に韻を踏みました。気まぐれでない乙女座の方、ごめんなさい。
久保田 なんか乙女チックで可愛いですね。正座をしっかり肉眼で見たい!とも思いました。
白鳥 誰が誰に話しかけているのか?つれない乙女座の彼にイラつきながらも離れられない女心と見ました。
木原 空にある乙女座が雲にかくれたのだとは思うが、乙女座の彼(彼女)がどこかへ行ってしまって
見失ったとも読める。ところで辻教授って乙女座でしたっけ。
町田 可愛い句だなあ
白井 そうですか でも月が隠れるのは 恥じらい? 調べると恥じらい一番てんびん座だそうで
片岡 秋の澄んだ星空を見上げている二句ですね。
10 カシオペア吾子はやらぬと手を広げ ショルツ ギリシャ神話で、娘のアンドロメダを自慢しすぎて海の神ポセイドンにとられそうになったカシオペア。
罰として椅子に縛られた姿が星座の形だそうですが、こんな見方はどうでしょう?
白井 調べました 興味深々 王妃は自分の美しさを自慢したようで どれほどの美人?(妄想中)
片岡 カシオペア座のWを、娘のアンドロメダを「手を広げ」守る姿に見立た句、星空に空想が広がって楽しい。
下河原 カシオペアは、星座ですかね。昔、北海道行きの寝台列車もありましたが、廃止になってしまいましたね。
白鳥 ギリシア神話ではペルセウスに助けられたけど、たしかに手を広げているように見える。
11 金木犀遠いあの夜の帰り道 ショルツ 香りで記憶、思い出が鮮やかに蘇ることがあります。
村松 夜の金木犀は匂いで気づく。思い出も匂いで呼び起こされる
木原 金木犀の香りは懐かしいことを思い起こさせる。
手塚 金木犀の香りはやはり郷愁を誘います。
下河原 金木犀の香り漂う夜の帰り道、誰と一緒だったのかな。
月足 香りは思い出、あの日に直結しますね
町田 何があったの?
白井 うー どの時点 どのスチュエーションかね これも妄想
片岡 前二句の影響で、その夜も星空が美しかった気がします。
白鳥 遠い青春の思い出を蘇らせるあの香り。あの夜何があったのかなんて野暮なことは聞きません。
12 運動会本気の保護者綱切れる ショルツ 綱引きのあの太い綱が真ん中でプツリと切れた惨事w。張り切りすぎの保護者で実際によくあるのは、
アキレス腱を切る怪我。とすると、「腱切れる」の方が良かったか?
村松 保護者も気合が入る運動会、怪我しないようにね。
五嶋 お父さんお母さんたちの気合いが伝わってきます。
町田 保護者に「競争」「勝ち負け」は禁句です。綱は切れるし、アキレス腱も・・・
突然切れると結構危険。活気が伝わった
梅原 おもしろい
廣瀬 めっちゃ情景が目に浮かぶ素敵な句です!顔を真っ赤にして全身の力を振り絞っていた保護者の顔が、
真っ青な焦りの表情に変わるという、、、実際はどのくらい後方に吹き飛ばされたのでしょうか??
木原 綱切れたんですか。す、すごい。アキレス腱でなくて良かった。
下河原 綱引きの綱が切れたの?
白井 そう これから 地区運動会にかりだされる(今年はNG)だけど いつも若いおじんさん必ずころぶ
月足 頑張りすぎて、アキレス腱も切らぬよう、気を付けて
白鳥 毎年ケガ人が出て保護者に走らせる競技をやめた学校もあるとか。綱引きならまあいいか。
13 振り向けば茜に染まる鰯雲 大治
村松 振り向いたら夕焼けの鰯雲。これから天気が悪くなるのかな、でもきれい。
五嶋 明日はきっと良い天気でしょう。
下河原 先日、茜色に染まった空を見て私も俳句にしたいなと思いました。
最近夕焼けが綺麗。
白井 いいね 秋 夕方の景色 まるでお岩木やまーで 待っている の世界 失礼
片岡 秋らしい!
ショルツ ドラマチック!
町田 しみじみ秋ですね。
白鳥 秋は夕焼けがめちゃくちゃきれいです
14 庭の月みかんの木よりぽっと出て 大治
村松 ぽっかり見えるお月さま、まるでみかんの木から出てきたみたい。ほのぼのとした感じが好き。
ショルツ ご自宅のみかんの木から出るお月様は、よその人が見ることができない「我が家感」が漂います。
「ぽっと」に丸さを感じます。ちなみに、我が家のみかんの木から出るのは三日月☽
木原 「ぽっと」がいいですね。
町田 身近であったたかい句です。「みかんの木よりぽっと」が良いです。
白井 いいね オレンジみかんの中から オレンジ月 いいね
白鳥 これはベストポジション!「ぽっと」がほんわかしてていいなあ
廣瀬 「庭の月」というのが良いですね~ お庭があるのが羨ましいし、「みかんの木よりぽっと出て」という
可愛いくて素敵な風景を独り占めしている作者はとても幸せ!
下河原 みかんと月の対比が面白いです。
片岡 大きな大きなみかんのような月。「ぽっと出て」は、「梅が香にのっと日の出る山路かな」を思い出させます。
月足 みかんの木は葉が密で濃く、月光が透けて見えず、ぽっと出るんですね
15 白萩や門前の道段険し 大治
月足 参道に沿って咲く白萩。見上げれば、険しい階段に
ショルツ 秋の清涼な空気を感じます。
白井 これまたしぶいね 白萩で
白鳥 古い趣のあるお寺なんだろうな。
16 立ち飲みの白髪頭に新酒かな 大治
村松 角打ちって言うんでしたっけ?慣れた様子の年配者と新酒の取り合わせがいい。
五嶋 日本酒がおいしい、いい季節ですよね。
手塚 シュールな風景です。粋ですね。
梅原 白髪と新酒の対比いいね
久保田 老年期の白髪頭と若々しい新酒の対比がいいです。
ショルツ 酒を知り尽くした立ち飲みさんのようです。
木原 常連のおやじと見た。
下河原 3年7組だった、西原さんがそこにいそうな気がします。
白井 一瞬でお酒の句に いいね
月足 この季節の楽しみ。しらが~、しんしゅの韻も良いですね
白鳥 楽しそうで、美味しそうで、いいじゃないですか!
17 露けさの下駄を鳴らして鄙(ひな)の宿 木原 2年前雫石に旅行に行った時の事を思い出して詠んだ。早朝、旅館の下駄を借りて散歩。
手塚 露けさの季語が染みるね。
町田 風情があります。時代劇の中にも溶けこめそう。
下河原 下駄と鄙の宿の取り合わせがイメージでき宿泊したくなりますね。
白井 どこですかね いいです 下駄で散歩
久保田 露けし=湿っぽい、初めて知りました。美しい言葉。下駄を持ってきたことで、旅の宿の感じが伝わってきます
廣瀬 朝風呂でしょうか?浴衣の上にちゃんちゃんこを羽織っていそいそと露天風呂に向かう作者の姿が
想像できました。「露けさ」「鄙の宿」という言葉のチョイスも素敵です!
ショルツ 風情ある季語ですね。
白鳥 旅行中ですか。ひなびた温泉宿が浮かびます
18 訥々(とつとつ)と恩師の本音沁むる古酒 木原 先日の同期会でいろいろな方から金田先生が痩せたねと言われた。自分も気になっていたのでちょっと心配。
村松 恩師もお酒も歳を経て心に沁みるのでしょうか。
五嶋 恩師との「大人の付き合い」か。古酒が秋の季語なのを初めて知りました。
梅原 しみじみとした句
片岡 同期会でのワンシーン。古酒とした所が意味深い。
これは本来の酸っぱくなった味を思い浮かべてもいいのでしょうか。
久保田 ついつい本音が出た恩師との酒の席。訥々と語る本音でリアル感が増していると思います。
○Q 本音がきになる。
ショルツ 本音が聞きたい! 『厳しくしたわけは、、、』かな?
町田 この句もいいなあ。年取った恩師と古酒がいい。
下河原 「沁むる古酒」の表現が素敵です。
白井 先日 同期会かね 小生でられず
月足 あの頃は知り得ぬ、恩師の思いでしょうか
白鳥 今初めて聞く話も?お酒がじわっと効いてくるような
19 六時屋の告げる時報や 秋夕焼 木原 松山にいた頃、営業先から会社に戻る車のラジオから六時屋の6時の時報が流れていた。
秋夕焼けとの取り合せは少しベタだったか。
ショルツ 松山市のお菓子屋さん。その音、情景、その土地を知らないと詠めない句。街も灯りがつき始める頃か。
月足 六時の長針短針一直線のように正直にが屋号の由来と知りました。
片岡 Q 松山の名店ですか。時報とはどんな関係でしょうか。
手塚 六時屋を調べました。松山の思い出?
町田 六時屋って何だろう、知らないのは私だけかもしれない・・・
白井 これ 高野山の宵むつの鐘? いってない
白鳥 六時屋って松山のお菓子屋さんなんですね!
20 馬肥ゆるトルクメニスタン館長蛇 木原 大阪万博でトルクメニスタンという国を初めて知った。絶対旅行では行かない国だとは思うが
見ごたえのある展示だった。トルクメニスタン原産の馬がいるという事も印象的だった。
村松 トルクメニスタンからの発想かな、馬肥ゆるの季語いいですね。
白鳥 万博だ!大人気のトルクメニスタン館。大胆な句で臨場感があります。
廣瀬 万博の大屋根リングの上から遠景で会場を臨んでいるのでしょうか?まずは青空のアップからパーンダウン
しながら少しだけズームアウトして見た向こう正面のとあるパビリオンの長蛇の列。。。きっとほとんどの
パビリオンが長蛇の列だったとは思いますが「トルクメニスタン館」というのが良いですね~
下河原 Q 関西万博ですかね。「トルクメニスタン館長蛇」はどういう意味ですかね。長蛇の列のことですか?
ショルツ 野生馬が駆け巡る中央アジアの秋。万博では大人気だったのでしょう。
手塚 万博はどこも長蛇の列でした。
白井 これ シルクロードの展示館ですか 万博良かったね 終わりにきて盛り上がりで
月足 とても目を引く館のデザインで、あまり馴染みのない国ゆえ、入場を試みるも、長蛇で諦めました
21 金木犀部活帰りの通学路 手塚 金木犀は郷愁を誘う(凡人ですが)
木原 今日の練習もきつかったけど、この香りに癒されますね。
白井 どこに金木せい あったかね あの頃気にしなかった べーやんの歌しかわからない
久保田 「今日も終わった〜」秋の帰り道にいい香りがして、ほのぼのします。
ショルツ 私も帰り道の金木犀を詠みました。
月足 今年は遅れましたが、香り始めれば存在感あり。時空を超えます
白鳥 昔は二学期が始まってすぐに香り出したけど、今は10月にやっと咲く金木犀。
22 友等みな歌う校歌に思ひ草 手塚 思い草という季語を見つけて
下河原 この前の同期会で久しぶり多摩高の校歌を歌いましたね。
梅原 盛り上がった
廣瀬 先日の同窓会でしょうか?皆が校歌を一緒に歌いながらそれぞれの思い出に浸っていた様子が窺えます。
でも、何十年も前の歌なのに不思議と憶えているものですよね~
ショルツ 季節と同期会で友と校歌を歌った思いを表す絶妙な季語使い。
木原 あこがれていたあの子も歌っているのかな。中七の「に」は「や」で切っても良かったかも。
白井 同級会ですね 残念ですが出席できずで
片岡 今回は同期会を詠んだ句が多いですね。下を向いて咲く思草、様々な思いが校歌によぎっていったのですね。
月足 やはり、いいですね
白鳥 みんなよく校歌覚えてるよね!感心しました。
23 御神酒所に法被姿の秋祭り 手塚 地元民のやや閉鎖的な集まりではありますがが
村松 秋祭りのひとコマ、お囃子も聞こえてくる。
五嶋 いい季節、です。
片岡 秋祭りらしいワンカット。炉端の会でもおそろいの法被があります。
月足 お神輿担ぎとともに、この句の風景も、お祭りらしい
白鳥 祭りの盛り上がりが目に見えるような句です。法被姿がいいね!
下河原 先日、長津田でも大石神社の神輿が練り歩き、隣の公園に御神酒所が開かれました。
白井 そう いつも神輿かゆぐんだけど
24 長雨や視界不良の永田町 手塚 はたして高市総裁は首相になるでしょうか
五嶋 同感です。
ショルツ 正に、、、。時事を天気でピタリと描写しています。秋晴れであってほしい。
町田 風刺が効いていますね~そして、いつでも会計不良
政争はうんざり
木原 なるほど。政局のゆくえですね。
下河原 永田町は、大混乱していますね。この先の日本が心配です。
白井 長雨どころでないですよ まったく この危機に何やってるのでです
久保田 混沌として来て将来が不安です。
白鳥 高市さんやっちまったね。下駄の雪にも意地があった!
25 弦月や私の悩みも半分こ 町田 夕方、空にはまだ白い半分の月が・・・咄嗟に思ったのは「あー半分は置いてきてもいいんだ」と。
勝手にお月様に癒してもらいました。
ショルツ 月って願いをかけたくなりますね。自分と月の姿から自らを受け入れ、納得しようとしているよう。
手塚 なんか自然と応援したくなります。頑張れ!
梅原 ポジィティブにいきましょう
片岡 「弦月」や「悩み」という重い語と、「半分こ」という子供言葉のアンバランスが面白いと思いました。
月足 こういう祈り方もありますね
久保田 気持ちわかる〜。
廣瀬 「見た景色」や「聞いた言葉」でハッと気づかされる事ってありますよね~ 作者が悩みから解放された瞬間を
共有させてもらった気がしました。中七+下五の「私の悩みも半分こ」という言葉も実感と可愛さが
こもっていて素敵です。特に最後の「こ」に気持ちが表れております!
○Q 月あらわす季語いくつある
木原 悩み、半分になりましたか。良かった。
下河原 作者は、どんな悩みを持っているのかな?
白井 そういいね でも 悩解消 月見て酒のんで 寝ちゃいましょう
白鳥 なくなりはしないところが現実的。
26 爽籟(そうらい)や父遺す木のさわさわと 町田 父が亡くなってから17年。水を遣りながらいつも父に「まだ元気だね」と語りかけてます。
爽籟を受け答えてくれたような気が・・
村松 父親の植えた木がいなくなった後も爽やかな秋を彩る。
五嶋 同じ意味でも、「秋風」と「爽籟」とでは、俳句の格が違うと思いました。
下河原 「爽籟」は、素敵な季語ですね。
白井 そうだよね 一瞬だけど近しい人 そばに(なり替わりで)いるような きっとみててくれる
月足 秋風とともに思い出が。爽籟と遺すが呼応しているようです
久保田 秋の爽やかさ、なんとく秋の爽やかさ、なんとなく寂しい。お父様の残した木というところで寂しい。
お父様の残した木というところでさらに寂しさが増す気がします。
白鳥 お父さんのことを想っている時清々しい風が吹いてきた。ちょっとスピリチュアルですが、
お父さんと心が通い合う大事な瞬間だったと思います。
ショルツ 清々しい季語。
27 バイバイの声響き合い秋の暮 町田 小学生のバイバイはエンドレス。だいぶ歩いてもまた振り返って、お互いにバイバーイ。
空気の乾いた秋の暮れに響いていました。
村松 夕暮れ時、遊び終わって家に帰る子供たち。それとも同期会の後に学生時代に返った私たちの様子?
どちらにしても楽しかった時間を感じさせる句。
木原 三丁目の夕日の景が浮かんできた。
白井 こどもは素直でいいね 大人だとこうはいかない
廣瀬 シンプルにすぐに情景が頭に浮かぶ句。。。赤とんぼのメロディで響くチャイム、
空も徐々に赤く染まり始めて、子供たちのバイバイの声が響く……これで本当に赤蜻蛉が飛んでたら完璧!!
ショルツ 乾いた秋の空気を感じます。
月足 秋の暮は、何か名残惜しく
白鳥 日暮れが早くなり遅くまで遊んでいられない子どもたち。なんだかノスタルジック
28 紫蘇の実の醤油漬けあり我が夕餉 町田 今年は3回も作ってしまった。
五嶋 紫蘇は夏で、紫蘇の実は秋、と知り、この句の季節感に深く納得。
ショルツ 新米が進みます!
木原 いいですね。幸せな夕餉。きっと横にはお酒も。
下河原 紫蘇の実の醤油漬けを一度食べて見たいです。
白井 しそのみの天ぷらもいいよね 今年暑さのせいか 実にならず枯れて
片岡 自作ですか。白いご飯にも、お酒にも合いそうです。
月足 美味しそう
白鳥 うーん、美味しそう!
29 末枯れ(うらがれ)やからだのなかにもやもやと 下河原 健康診断で肺に影が見つかり、11月に肺のCTで精密検査を受けることになってしまいました。
町田 末枯れって葉の先端から枯れていく様子なんですね。何か寂しい。まだまだ頑張りましょう。
でも、この季語使えそう。
月足 からだのあちらこちらに心配のたねでしょうか
廣瀬 身につまされます!でも植物は枝の先とか端の方から枯れていくのに、人間は外側が枯れて見える時には
中身(内臓や筋肉や骨等)がすでにボロボロになってしまっている気がしているのは私だけでしょうか?
○Q もやもやが気になる
ショルツ 季節と年齢の両方の意味か? 病名のつかない何か!を抱える年ごろになってきました。
木原 いろいろあるよね。
白井 そうそう 木々の葉が先端から枯れてく 我々もすでにその年齢 どっかしらおかしくて
白鳥 何がだろう。言葉にできないからもやもやしているんだよね
30 名刹に人人人の声響く 下河原 季語を入れるの忘れてしまいましたが、義父が眠る豪徳寺は、外国人が沢山訪れていて社務所でお花を
買うのにも苦労します。先日、中国で豪徳寺の招き猫がネットでバズっているとNHKニュースでも
取り上げられていました。
村松 秋の行楽シーズンですね。静かにお参りしたい気持ちは皆一緒だけど。
手塚 今はどこに行っても外国人だらけ
梅原 中七うまい
ショルツ わー!オーバーツーリズム!! 修学旅行も脱京都の学校も出てきたとか。
白井 どこだろう お寺まいり
片岡 どこもかしこもオーバーツーリズムですね。どこのお寺かな。
月足 混みすぎて、秋の風情はどこに
白鳥 せっかく来ても目の前は人混み。みんな同じ時期に同じことを考えるのでしょうね。
31 石直し線香燻らし墓参かな 下河原 お盆に父母の墓参りをした際、墓の廻りの縁石がズレていて崩れそうになっていたので修繕を業者に頼んで、
お彼岸の墓参時にはきれいに直っていました。
五嶋 季節の節目の大事な日。
白井 法事かね しづかに忍故人ですね
片岡 墓石本体ではないでしょう、香立の石を正し、線香に浴すれば、なぜか心に落ちつきと清々しさが生まれます。
白鳥 「石直し」お墓を新しく?
32 思い出があの日あの時天高し 下河原 6年ぶりに多摩高の同期会が開催され高校時代の思い出がよみがえりました。
ショルツ 秋のその日の思い出が鮮やかに思い出された一瞬。空の青さが見えます。同期会の感慨か。
木原 秋の抜けるような青空はさまざまな事を思い起こさせる。
久保田 同窓会のことかな?あの日あの時、蘇りますよね。
白鳥 一瞬一瞬が思い出に変わっていくんだと、年取ってからわかりますね。
町田 あの日あの時ではなく具体的に書きましょう!と夏井先生にいわれそう。私は好奇心から知りたいです。
白井 これは 故人にかね
33 噴水や匍匐前進秋日和 噴水の中で、水鉄砲を持って匍匐前進している子供を発見
下河原 子供が、噴水に向かって近づいているようですね。
梅原
片岡 まだまだTシャツ日和の今年の秋、子どもが腹ばいになってびっしょり濡れながら噴水に近づいていく
ワンパクさよ。
月足 ここまで暑さが続くと、夏の季語も入れざるを得ない
廣瀬 「秋涼」とか「爽秋」ではなく「噴水」を持ってきているのが個性的で上手いと思いました。
本当に今年は(も?)なかなか秋になりませんでしたからね~ 暑い時には噴水は本当にオアシスのように
感じますが、少し寒々しく感じたのでしょうか?「匍匐前進」も上手いです。
ショルツ Q 匍匐前進と秋日和の関係は?
町田 「噴水や」だと夏が主役になってしまいそうです。匍匐前進している秋に頑張ってもらいたい。
白井 創造です ひゃくとり虫みつけた
白鳥 葡萄の美味しい季節がやってきた!私はシャインマスカット派です。「噴水」のように実が盛り上がっている?
34 秋分や天神のせた牛の坂 牛が現れて、天神様を乗せて坂を登ったという北野神社
五嶋 検索しました。小石川方面の牛天神、ですか?
ショルツ 秋祭りの情景でしょうか。牛とつながりが深い天神様:道真公をいただいた牛:
山車が坂にさしかかったところか?
白井 これまた 東京の坂景色
片岡 ネットによると、道真公の遺言で、牛に自由に牽かせた牛車の止まった所を墓所とし、
それが今の天満宮だとありました。解説をお聞きしたい惹かれる句です。
月足 牛天神北野神社でしょうか
白鳥 天満宮のお祭りでしょうか。秋らしい空の下で。
35 風爽か(かぜさやか)もう引退や青いチャリ 50年以上使っている子供の自転車
村松 颯爽と乗っていた青い自転車。満足感と少しの寂しさと。
木原 青いチャリ。お疲れ様でした。ありがとう。
町田 「や」がやや強引な気もしますが、青いチャリを大切にしていたことが伝わります。
白井 青チャリは G軍長野 お疲れさまでした
久保田 愛用の自転車ですか?お疲れ様です。
白鳥 長年愛用してきた自転車なんでしょう。なかなか区切りがつかなかったけど、季節のいいこの日に決断。
月足 Q 引退は、自転車?芸人コンビ(青いママチャリ)?
ショルツ 風爽かなれど、、、自転車走行、昨今は怖い場面も多いようです。
手塚 自転車も買い替え時?
下河原 そういえば、もう何年も自転車に乗っていませんね。
36 天高く騒めく木々や赤テープ 木に赤いテープは伐採予定の印。人は勝手です、
木原 Q 句意を教えてください。
町田 Q 「赤テープ」は何だろう
下河原 Q 赤テープは何のために張られていいるのでしょうか?
片岡 Q 運動会?
月足 Q 赤テープも教えてください。不良用語で喧嘩売る、買うなどでてきますが。
白鳥 Q 「赤テープ」もしかして伐採予定?
白井 赤テープは行くべき方向の目印? まだこれからもかね
37 爽やかに遠回りして帰る我 梅原 久々の心地よい日々に一句
村松 気持ちのよい日、遠回りして帰りたくなる。
木原 やっとそういう気分になれる気候となりました。
町田 今一番散歩をしていて気持ちがいいですね。「爽やかや」が良いような気がします。
白井 月がとっても青いから てき
廣瀬 夏の暑さが和らぎ、過ごしやすくなった秋の気分や心地よさが良く表れている句です。
これまでは外を歩くというだけで億劫な気持ちになっていたのに、遠回りとは!!
下河原 Q どこを遠回りしているのでしょうか?
ショルツ 颯爽とした気分。涼しくなってこそ、遠回りもしたくなりますね。
月足 少し涼しくなったから?
白鳥 夏には考えられなかったね
38 秋彼岸家族4代膳囲む 梅原 老父を囲んでの楽しい会食で一句
村松 お彼岸に親御さんや独立した子供や孫と一緒にお墓参りかな。穏やかな時間。
五嶋 かけがえのない、素晴らしいひととき。
片岡 ご先祖もお慶びでしょう。「4代」はやはり「四代」の方が感じが出るかな。
ショルツ 尊い!!
下河原 4代も揃うのは、羨ましいですね。我が家は1代しかいません。
白井 いいね いいね お元気で すばらしい
月足 皆揃うのは、こういう機会か。4代⇒四代
白鳥 ご先祖様も喜ぶ幸せのワンショット
39 古希待てぬ友と語らう秋の宴 梅原 あっという間の楽しい日でした
ショルツ 我々世代の同期会とわかる句。率直で響くキャッチフレーズでしたね!
手塚 盛大な同窓会でした。卒業からほぼ半世紀。
下河原 久しぶりの同期会楽しかったですね。
同期会?恥ずかしながら、途中の記憶が飛びました
白鳥 同期会楽しかったね!はたから見るとジジババでも心は高校生笑
五嶋 10月4日は、楽しかったです。
木原 先日の同期会、楽しかったですね。
白井 盛大な同級だったようで 残念ですが 欠席でした
月足 楽しい会でした。古希待たぬ開催ありがとう
40 大ぶりの秋刀魚頬張るいつ以来 梅原 秋刀魚の豊漁久しぶり
月足 大漁はありがたいが、安定してほしいですね
久保田 今年の秋刀魚は大きくてプリプリな感じがライブ感を持って伝わってきます。
木原 今年の秋刀魚は大きい。確かにいつ以来の大きさだろう。作者は秋刀魚食べること自体が久しぶりなのか。
町田 今年は美味しかった!
白井 そうです 昨年は さゆりもどきのさんま 1匹たっだ
片岡 この句を読んで、秋刀魚を買いに行くと決めた私。
白鳥 今年の秋刀魚はたしかに大きい
41 青出でずさみしく誇る彼岸花 白井 彼岸花の花言葉はなぜかさみしげとなっております 生きる残り戦略で葉を置き去りにたため?
町田 花だけで(葉がなく)寂しそうだが、誇り高く凛とした花だと私も思います。
梅原 きれいな句ですね
廣瀬 「青出でず」とは「弟子が師匠を超える意」なんですね?故人を超えた弟子が墓参りをする姿を見て、
彼岸花に宿った故人は誇らしくも少しさみしい気持ちになったのでしょうか?なんかちょっと良い話~
木原 Q 句意を教えてください。
下河原 Q 「青出でず」の意味を教えて下さい。
白鳥 Q 「青」はなんの青でしょう?
42 秋桜の揺れる波間に浮くあかね 白井 コスモスの畑にまだ赤くない秋あかね 数匹群れて
村松 コスモス畑に飛ぶ赤とんぼ。日本の秋。
ショルツ 秋桜と海、美しい情景。
下河原 コスモスが咲き誇る中に、赤とんぼが飛んでいる情景を想像しました。
月足 一面の秋桜の波間の上に茜でしょうか
久保田 コスモスびっしりの背景に夕焼け、美しい景色ですね。
白鳥 Q 「あかね」は夕日かな。それともコスモスの紅色か?トンボかな?
町田 コスモスが波のように揺れているその向こうには夕焼け空、かな
43 月出でき今日は名にとぞ語る宵 白井 月の名満ち欠けで風流な名が十五夜は見れませんが その後 たちまち月とか? 気になって
村松 今夜の月の呼び名は何だっけ?と語らうということですよね。
いろいろな呼び方があって日本語って豊かだなあと思う。
片岡 月の美しい連日の宵、今日の月の名は…、と語りあう姿、まことに心豊かに微笑ましい。
廣瀬 「名にとぞ(~と)語る」とは、「何卒、雲が月を隠してしまわない様にお願いします<(_ _)>」と
空にお願いしている気がしました。「名にとぞ」と記したのは、「名月」に引っ掛けたから?考え過ぎかな?
白鳥 Q 「名にとぞ」がわかりませんでした
下河原 秋の月は、やはり俳句になりますね。
月足 今日の月はいかようでしょうか
44 秋神殿静かに託す句額かな 白井 秋祭礼で神事で地元神社拝殿奥へ 古い絵馬の中は知ってましたが ここに奉納の句額が?
今年は初めて気づいた いつの間にこんな前に?
五嶋 句額の奉納?すばらしい。
木原 厳かな気持ちで俳句を奉納したのですね。
手塚 句額というのは俳句を奉納したものなんです。勉強になります。ね
白鳥 ご自身の句を額に入れ奉納したのですね、素晴らしい!
ショルツ 敬虔な心を感じます。
片岡 す、凄い! 句額を奉納なさったのですか? して、その句とは? ともかくすごい!
45 秋の日や句碑の影濃き夏目坂 片岡 十月の句会の下見に行ったときの四句です。漱石の生家跡からゆるやかに上ってゆく坂が、夏目坂。
その生家跡には「影参差(かげしんし)松三本の月夜かな」の真黒い句碑があります。
木原 影が濃く感じたのは秋の日のせいだけては無いかも知れない。
手塚 新宿の夏目坂、句碑は夏目漱石の句でしょうか。
町田 秋の空気感、下町の風情がいいなあと思います。
梅原 影濃いと夏
白井 そういえば 旧2年3組の棒君 東京坂道・・・連合?に入ってい 番付表もらった できれば行きたいが
ここは新宿ですな 吾輩は猫の碑かね
久保田 句碑の影がまだ濃い、厚さが残る夏目坂の情景が浮かびます。
白鳥 漱石は新宿が実家でしたね。句碑があるんだ!陰影があり景色が立体的です。
五嶋 Q 句碑は、漱石?
ショルツ 車で通るだけで歩いたことがない夏目坂。いつかちゃんと歩いてみよう。
下河原 「夏目坂」は新宿にあるんですね。
月足 半分は10月吟行の予習のようにも思える四句。漱石生誕地あたりに漱石の句碑
46 ならび立ち二拍手そふや彼岸花 片岡 その句碑から二・三百メートル行った所にあるのが穴八幡神社。通った文学部の向かいです。
その少し急な石段で見かけたういういしい男女の高校生は、そのまま並んで拝殿へと、そして睦まじく
息を合わすように合掌していました。合格祈願か、一つの共通の願いだったのだらうと想像します。
村松 神社にお参りに訪れた人を見守るような彼岸花。
ショルツ 連れ立って参拝する拍手が、澄んだ秋の空気に清らかに響く!
町田 この句もいいなあ。「ならび立ち」だけで映像が見える。そろった音も聞こえる。
彼岸花で色も秋の季節もわかる。「そふや」はなかなか出てこないです。
下河原 柏手と彼岸花の対比がこころに響きます。
廣瀬 老夫婦が仲良くお参りをしている様子を、彼岸花が温かく見守っている。。。
そして彼岸花に宿っているのは、老夫婦のご先祖様の魂かも知れませんね~
木原 仲良く二人そろってお参りですね。
白井 神社でのことかね
月足 こちらはどちらでしょうか。並び立つお二人は?こちらも漱石からみで穴八幡宮?
白鳥 二人でお参りした神社にも彼岸花が。何を祈っていたのかは聞くまい。
47 銀杏の実地球座の手すり黒光る 片岡 坪内逍遙演劇博物館の建物は、シェークスピアのグローブ座を模して大学構内に建てられました。
雅楽・能から近代演劇や昭和の名作映画まで、あらゆる劇を愛して訪ねる人々によって、
その階段の手すりは黒光りしています。
月足 黄色い銀杏の実とかたやグローブ座でしょうか、円筒状の劇場、年を経た手すりの黒との対比。
シェークスピア、演劇は不勉強ですが、行ってみたい劇場
町田 Q 解説をお聞きしたいです
手塚 地球座というのは昔、新宿にあった映画館?
白井 かつて行った映画館かね 最近どうなってのかね
白鳥 シェイクスピアのグローブ座ではなくて新宿のですね。今もあるのかな
48 都電端庚申塚の祭かな 片岡 大学裏手を始発として、都電荒川線のチンチン電車に乗り、15分程で下りると、駅名にもなっている
庚辛塚が踏切を渡ってすぐ、大通りから奥に引っ込んで鎮守されています。私達が行く一週間前、
十八日(土)が祭礼の日でした。実は、漱石の本名である金之助は、庚中塚の信仰に由来しています。
五嶋 江戸時代から続く中山道の賑わいを感じました。
白鳥 東京にもこじんまりと長く続く地域のお祭りがあるのですね。
鉢植えが並ぶ小さな路地を行くお神輿が浮かびました。
ショルツ 荒川線、乗ること自体が楽しい! 今月、せっかくの乗車機会を逃してしまい残念( ノД`)
下河原 10月の句会で巣鴨に行くのを楽しみにしています。
白井 大塚の先だね 行ったことない
月足 庚申塚も聞くばかりでした。都電は、いつの間にか桜トラムという可愛らしい名称の路線になっていて
びっくりした覚えがあります
49 天高し夢は漫画家だった頃 月足 暑く長い夏から、ようやく解放され、天高しで3句。小学生の頃は、漫画ばかり描いてました
五嶋 この歳になると、その頃のことを、よく思い出します。
ショルツ 天高し三部作ですね。秋空のような高い志!
木原 秋の抜けるような空を眺め、夢見ていた頃を懐かしむ。
片岡 「天高し」三部作。その中でこの句が最も青雲の志を思わせて季語と響きます。
それは同時に、青い空に吸いこまれていった夢の寂しさに満ちているようです。
白鳥 小さい頃なりたかったものになっている人はどのくらいいるのかな。
秋の日に今は遠い幼い頃を私も思い出しました。
下河原 Q 漫画家を志したのは、誰なんだろう?
白井 えー だれかね これから書いたら
50 天高し友の句帳は日々一句 月足 俳句なんて無縁といっていた会社関係の友人と再会。彼のノートには、一日一句びっしりと。
梅原 見習いたい
廣瀬 気持ちの良い句です!きっとお友達は日々季節感を感じながら作句されているのでしょうね~
でも同時に作者の「自分は自分!マイペース!」という気概も感じられました。
ショルツ 刺激を受けますね。
下河原 日々1句作るのは、大変ですね。
白井 そう 私の苦悩は週1苦
白鳥 すごいお友達がいるんだね!
51 天高し猫の首輪を新調す 月足 コロナ渦の21年春に飼い始めた猫の首輪を4年ぶりにかえました
村松 秋晴れの日に猫の首輪を新調する。気持ちも空も晴れ晴れと。
手塚 すべて天高しが季語。でも今の日常で微笑ましいので。
町田 どの「天高し」がいいかなあ。と思った時これを選びました。新しい首輪、気持ちも晴れ晴れします。
実は家の犬もつい先日から新しい首輪です。
白井 猫ですか 秋で?
木原 気分も新たに、という所でしょうか。
白鳥 秋になって猫もおしゃれに。飼い主が喜んでいるのがわかります(猫はどうだろう?)。
52 ドリームというバス校門に秋の旅 月足 ドリームと横書きの観光バスが、学校に集結。生徒たちはどんな旅に。
下河原 小学生の時、バスでの遠足は楽しみでしたね。
久保田 秋の旅が始まる期待感、伝わって来ます。
廣瀬 Q ドリーム観光のチャーターバスですか?修学旅行ですかね~
ショルツ 修学旅行かな? 夢をのせたバスで思い出の旅になりますように。
白井 どうゆうことだろう?
片岡 語呂合わせなのですが、「校門」の一語が高校教員だった自分にはささります。
それは、一句目と響くからでしょう。
白鳥 遠足かな。ドリームはバス会社?
53 暮れかかるフェスの花道月浮かぶ 久保田 今回のフェスは1回きりの参加でした。推しの出番は夕暮れ時でちょうど月が浮かんで美しかったです。
村松 楽しかったフェスも終盤、月も楽しんでいる?
五嶋 フェスと月とで、秋をうまく表していると思いました。
木原 フェスいいですね。羨まししいです。
町田 漫画にも出てきそうなシチュエーション。素敵
下河原 どんなフェスティバルだったのかな?暗くなってきた中で月が浮かぶ情景が目に浮かびます。
梅原
白井 なんかいいね 野外で気持ちよさそうで
月足 心地よい疲れに包まれているようです
ショルツ フェスの余韻を月が照らす夕刻。
片岡 印象深い風景ですね。フェスの花道って、どんななのだう。
白鳥 野外でしょうか。盛り上がりを月が見ている。
54 霧の間に十字架(クロス)浮かびて西の果て 久保田 ポルトガルのロカ岬はすごい強風で、おまけに霧か水蒸気かわからないモヤが漂い、すごい迫力でした。
石碑の上には十字架が見え隠れしていて、西の果てに来たという実感が高まりました。
ショルツ 長崎の教会の情景でしょうか。
手塚 西の果てはどこの風景でしょうか。幻想的。
白井 うー 霧の待ちの 教会? 長崎かね
片岡 とても宗教的で深い信仰心を感じました。どんな十字架をご覧になったのでしょう。
廣瀬 長崎でのフェスの合間に福江教会に寄られたのでしょうか?前句での「遅い日暮れ」や、
次の句の「坂」とも相まって長崎情緒満載の三句でした。「西の果て」が素敵です。
白鳥 Q 西の十字架とは?
55 急坂に張り付く家で揺れるラベンダー(はな) 久保田 ポルトガルはとにかく坂が多くて、多くて。
白鳥 「わーこんなところに家が建ってる!」と思うような家にも日々の生活。
下河原 Q (はな)の意味は、「ラベンダー」と書いて「はな」と読むのかな?
白井 これも 長崎なら がってんなんだけど 違うね 雨でないので
56 秋の宴友友友の目でわかる 久保田 同窓会、姿、形は変われど、目は変わらなかった
○Q わかる?
ショルツ 友友友!そうでしたね。150人、よく集まりました!
木原 同期会。この人誰だったろう。ああ、目でわかった。
町田 なんか鋭そう(観察眼が)
下河原 同期会の様子ですかね。友友友の表現は独創的ですね。
白井 そう この歳になると 誰? かね でも目でわかる? わかんるかね‐
月足 だんだんわかってくる。楽しい会でした
白鳥 同期会ですね!案外みんな変わってなかったね
57 切り爪の薄青に落ち二日月 白鳥 月の中でも私の一番好きな形です。切った爪に似てるでしょ
村松 切り爪の形の月、青味がかって綺麗。
町田 青いペニキュアをしていたのかな。と勝手に足の爪を思いました。何気ない日常だけど、
そこに二日月を見るなんですごいなあ。
梅原 想像力掻き立てます
白井 いいね うすく 細く 月 透けるような海へ落下かね
片岡 「薄青」は薄暮(はくぼ)の西の空、とても細い切り爪のような月が、次んでいったのですね。
久保田 素敵な光景!
廣瀬 二日月を「夜空に落ちた切り爪」と詠うセンスが素晴らしいです!静寂の宇宙空間で繰り広げられる
壮大なファンタジーの様ですね。「爪」という小さくて身近かなものと宇宙との対比!!
下河原 Q 句意を教えて下さい。
ショルツ 極小の爪と遥か遠い月、同じ形だからといってなかなか連想できません。
手塚 「薄青に」が独特かつ繊細です。
月足 切り爪にも似た二日月が降りてくる
58 新涼の星震わせるアリアかな 白鳥 やっと涼しくなり窓を開けて過ごした10月初め。モーツァルト「魔笛」の夜の女王のアリアが窓外へ。
五嶋 凛とした雰囲気が伝わってきます。
ショルツ アリアの素晴らしさがうかがい知れます。
木原 新涼とアリアの取り合せが爽やかだと感じました。
手塚 アリアの独唱。星震わせるが印象的です。
下河原 「アリア」の意味はGogleでは、叙情的、旋律的な特徴の強い独唱曲と記載が有りました。
白井 澄んだ空気でシータがまばたいてる?のかね いいね
月足 新涼の夜に聴くアリア、なんと贅沢な
59 水澄むや木炭デッサン完成す 白鳥 いい季節、いろいろやる気が出てきます(ほんとは鉛筆)。
村松 芸術の秋ですね。
木原 秋の水のように澄み切った気持ちで完成させたのですね。見てみたいです。
月足 透き通る湖のほとりの居で、時間をかけてデッサンが出来上がったというような、爽やかな達成感
○Q いいね、何をデッサン?
下河原 木炭デッサンされているのですか? 作品を見てみたいです。
白井 木炭 デッサン て そういえば消去でとった1年の美術しか経験なし 被写体が気になる?
片岡 デッサンは普通短時間に描き上げると思うのですが、「水澄むや」(=秋になった、秋を実感した)と
あわせると大作のような、時間の経過を感じました。見たいな。
久保田 私はお絵描きソフトしか使ってないので、木炭デッサン、憧れます
60 寝待月合唱つづく子守歌 白鳥 孫たちのお泊り。姉が子守歌を歌って弟を寝かしつけようとするも、
弟も一緒になって歌いそれが延々と。早く寝てーー
ショルツ 寝ないお子さんと合唱になってしまったのか? 絶望かあきらめの境地か、笑ってしまうかW
白井 お孫さんへかね なかなかでない いいね月の名
61 秋風や君のまなざし遠くなり 廣瀬 半分リアルで半分フィクションです。たま~に、大切な人との心の距離を感じる事があり、詠んでみました。
そんな時は無理に自分の方を向かせようとはせずにこちらは温かく見守るくらいの気持ちでいた方が
良いのかも。
下河原 Q 「君」とは、誰のことなんだろう? 次の句の亡くなった友のことかな?
ショルツ 何度目かの秋を経て忘れえぬ人の思い出も薄れていくのか。
白井 秋はさみしく 冷たく
白鳥 夏が終わり、二人の仲も。
62 寒蝉や友に捧げる初弔辞 廣瀬 9月1日に親友が急逝し、増上寺でおこなわれた葬儀で人生初めての弔辞を読みました。
つくつく法師の鳴き声と導師の読経と弔辞の声のアンサンブルに包まれ全身が震えるほどの昂りの中、
遺影の故人を見据えているうちにだんだん冷静になり頭の中では自分の声だけが響き、
いつの間にか自分と故人の二人だけの世界に没入しておりました。
村松 親しい友人の葬儀、夏を惜しむような蝉の声、切なさが増す。
五嶋 友人への弔辞を担当する年齢になったんですよね。季語を「蜩(ひぐらし)」ではなく
「寒蝉」としたのがすごいと思いました。
ショルツ 親しいご友人を失った悲しみが秋蝉の鳴き声と共に切々と伝わります。
木原 寒蝉の鳴き声をバックに弔辞を述べる。悲しさが募ります。
町田 読んだだけで泣いてしまいそうです。寒蝉と言う季語が全体に響いています。
初弔辞っていっぱい考えたんだろうな。泣きながら・・・
下河原 「ヒグラシ」の声と弔辞がマッチしてより悲しみが伝わります。ご冥福をお祈りします。
寂しい
片岡 寒蝉はヒグラシですか、その声が、友を喪う初めての思いに読み上げる自分の弔辞の声と交って、
静かな祭場を満たしています。
久保田 亡くなる友人が出て来たなあ。寂しいですね。気持ちがよくわかります。
白鳥 悲しいおつとめでしたね。「寒蝉」が気持ちのすべてを表しています。
白井 そうですか
月足 蜩の傍題。つらい弔辞です
63 残月や夢の名残りをまだ追ひて 廣瀬 夜明けの残月を見た時に、急逝した友人が自分をまだ照らしてくれている様な気がしました。
同時に自分と照らし合わせて自らの「過去の様々な思いや願望」も残月の様に心の奥底に
まだ捨てきれずに残っている様な気がして、この句が浮かんできました。
村松 夢の名残りはうっすらと残った月のように消えることがない。
手塚 残月と夢の名残りがマッチ。心に染みますね。名句。
下河原 残月と夢の名残りがドラマの1シーンを見ているように感じました。
梅原 いつまでも前を向いてですね
白井 なんかいいね 朝の月 そんな気分に
月足 夜が明けたけれど、どうしても追ってしまう気になる夢
町田 これも「残月」と言う季語がいいですね。明け方まで空に残っている月。〇にしようと思ったのですが、
夢の名残りと残月が重なっているような・・・勝手に思い入れて考えました。
「覚めぬ夢の端(は)」なんてどうでしょう。(笑)
白鳥 寝覚めの目に映る残月、頭の中はまだ夢の続き。それとも若き日の夢がまだ諦めきれない自分を詠んだのか。
もしそうならまだまだ追える!
64 父母眠る墓碑を染めゆく曼珠沙華 廣瀬 両親や友人の死を通じ故人が自分と分断された世界に存在するのではなく、いつも見守ってくれている様な
気がしておりましたが、墓碑の傍に咲く曼殊沙華には彼岸参りの時に故人との交信力を高めてくれる役割りが
ある様な気がして詠みました。
村松 曼殊沙華はお墓参りの象徴のような花ですよね。
五嶋 秋の彼岸、心を静かにしてお参り。
町田 本当に温かい。優しい気持ちになります。
ショルツ 曼珠沙華には何やらあの世を思わせる風情を感じます。
木原 曼珠沙華がお墓を見守ってくれていました。
白井 お墓の周り 彼岸花ですか 必然的に手を合わせたくなる
片岡 今回の四句は、どれも「今」を遠くはなれた思いを感じさせる句でした。
白鳥 秋の空の下に咲き群れる彼岸花が目に浮かびます。美しいお供えですね。