2023年10月 選句+コメント集

俳句 選句者 点数・記号 コメント・質問・自作の説明
1 九月尽クシャミも嬉し二十二度 廣瀬 9月末、朝はやっと肌寒さを感じる気候に…くしゃみが出て思わず温度計を見たら22℃
…決して涼しい気温ではないですが、それまでがずっと朝から30℃前後だったので。。
暑さ(残暑)も尽きたかというダブルミーニングで「九月尽」を季語に選びました。
町田 今年の夏の暑さと長さに嫌気がさしていたあの日、急に秋が来て嬉しかったのを
よく表していると思います。
大治 熱かった夏も終わって秋が来た事の喜びがクシャミも嬉しの中にこもっていていい句です
梅原 秋らしい気候の喜びが表よく現されてます
片岡 急に秋めいてとまどいます。でも、秋はいいですね。
小野 わかりすぎてクスッと笑いたくなる句でした
ショルツ やっと秋!の実感。長ーい残暑でした。
木原 今年の夏は本当に暑かった。やっと一息ですね。
下河原 このところすっかり秋めいて寒くなりました。
まだ身体が寒さの準備が出来ていないので風邪ひきそうです。
白井 暑かった夏も ひと呼吸でした
白鳥 やっと、やっと、やっと秋が来た!
2 木犀の香(か)がリマインダー契りの日 廣瀬 出勤時に金木犀の香りが漂ってくると、結婚記念日(10月6日)も近いという合図。
このリマインダー、けっこう役に立ってます。決して妻に虐げられた句ばかりではないぞと
言いたくて、少しノロけてみました。
小野 結婚記念日?を木犀の香で思い出すとは、なんと素敵なのでしょう!
手塚 木犀の香りが思い出なんて、なんとおしゃれ!
木原 素敵なリマインダーですね。
村松 木犀の香りがきっかけで契りを結ぶことになったんですね
それまでに大事に育んできた時間が思われます
白井 記念日を忘れていて ふと気づけば?かね
大治 Q 契りの日?すいませんわかりません
町田 リマインダーが新しい。
月足 どんな契りでしょう。今秋はようやく木犀が香り始めた
白鳥 金木犀が香ったら会いましょう、と?
3 二杯目はキールとマティーニ秋の宵 廣瀬 「匂わせの句」。夏井先生が見た時に「宵の口なのにもう2杯目と言うのは、早い時間から
もしくは早いペースで飲んでいるという時間経過を、2種類のお酒を飲んでいるのは男女…
それも一人は度数の高いお酒、一人は低いお酒という事で、二人の関係は?などと想像を
巡らせることができますね~」なんて言われてみたいな~と思いつつ…でも妄想ではなくて
実話ですよん。マティーニは女性の方でしたけど。。
ショルツ Q キールとマティーニ混ぜ混ぜ??
下河原 Q 「キール」も「マティーニ」もカクテルですよね。混ぜて飲むのですか?
村松 お洒落な二人 契りの日の句と同じ二人かしらん
白井 秋の宵に カクテルですか? いいですね ごゆっくり
4 秋さびし脚痩せし父珍寿なり 廣瀬 最近食欲が落ちているという事で、3週間ぶりに父の施設を訪ねた時、あらためて95歳の
父の手足…特に脚が細くなってしまったなぁ~と何とも言えない気持ちになりました。
医学の進歩や施設でのケアのお陰で長生きできてるのは有り難いけれど、当の本人は楽しく
生活できているのかな?などと考えてしまいました。
久保田 老いていく様子をわかりやすく表現した共感する句ですね。
ショルツ ご長寿おめでたい!でも年齢は脚に出ますね。食が進みますように。
月足 脚痩せしとはいえ、長寿のお父様お元気で
村松 もう歩くことが少なくなったのでしょうか お父さまの痩せた足を見ての切ない気持ち
わかります 珍寿が何歳の祝なのか調べてしまいました
下河原 「珍寿」で95歳のお祝いですね。まだまだ長生きされてお元気でお過ごし下さい。
白鳥 珍寿、95歳なんですね。「脚痩せし」の気持ちわかります。まずはめでたい。
手塚 おめでとうございます。95歳のお祝いなのですね。
木原 調べたら「珍寿」数えで110歳とありました。素晴らしい。
大治 珍寿初めて知りました。次は百寿ですね頑張って
白井 えー 珍寿とは? 痩せたけど お元気 すごい 人生100年だね
片岡 珍寿は百歳とありました。すごいな。
5 名月や街の灯りはいらないね 久保田 月が明るすぎて灯りがいらないのと、街の灯りがなければ、もっともっと月が綺麗に見えるのに、
という両方の気持ちを詠みました。
廣瀬 シンプルだけど本当にそうですよね!共感しました!
梅原 月光の輝きが目に浮かびます
ショルツ 満月の夜は街頭消す条例、あってもいいかもしれません。
月足 灯りを落とし、味わいたいです
下河原 十五夜の満月は、まさに名月ですね。
白井 そう 今年も見ました で町中でもより光って
片岡 一斉に電気を消す20分、とか作ったら面白いですね。
みんなが外に出てきて、月を見上げながら、やあ、みたいな。
白鳥 本当にいらないね!
6 洗い立てごわつくシーツ秋陽(ひ)の匂い 久保田 洗い立てのゴワゴワした、まだ温かいシーツに触れる感じが好きです。
廣瀬 作者が洗い立てのシーツを顔に当てて陽の匂いを楽しんでいる姿が浮かんできました
(何故かお顔は吉岡里帆!)。柔軟剤を入れてしまうとそのフレグランスで「陽の匂い」も楽しめ
ないよね!でも、ノンフレグランスのレノアで洗うと肌触りも良く陽の匂いも楽しめますよん!
小野 乾燥機を使ってしまうとこれが味わえません。実家の花の洗濯を思い出しました。
手塚 秋晴れの日の洗濯物は乾きが早い。
木原 なんかとても気持ちの良さそうな句です。
月足 ごわついてても、おひさまの香りがいいですね
大治 洗濯ものが太陽の陽を浴びた匂いはいいですね その気持ちが伝わってきました
村松 バリっと乾いたシーツ お日様の匂い 気持ちいい
片岡 のりの効いた真白いシーツに、ゆっくりと秋の日に昼寝する。いいもんです。
梶井基次郎もその憧れを書いていましたっけ。
ショルツ ○Q ゴワゴワ感がまだ温みのある秋の素肌には心地好い。秋陽を(ひ)と読むのでしょうか?
白井 なかなか 秋のお日様はかっらとして いい香り まさにお母さんのかおり?
白鳥 夏のいやな熱ではなく、心地よい陽の匂い。
7 海を超え金の粉撒く秋の蝶 久保田 「アサギマダラ」という蝶は台湾から海を超えて飛来します。
それと応援しているアーティストのREIKOがのデビュー曲が「 BUTTERFLY」で彼の声が
金の粉を撒いている様に聞こえてくるので、その二つを掛けました。
町田 アサギマダラ調べました。渡り鳥ならぬ渡り蝶、金の粉撒くが素敵です。
木原 海を越える蝶がいるとは、初めて知りました。
村松 あんなにひ弱な見かけなのに渡り鳥のように海を越える蝶の神秘の力を感じさせる句
下河原 海を渡るアサギマダラかな?
白鳥 海を超える蝶、なんだかロマンがある。
白井 アサギマダラでしょうか? 遥かマレーシアまでいくとか?
8 奥底が朝まで温む秋湯かな 久保田 最近有馬療養温泉というところに行って、身体の奥底までじわじわ温まってきて、
ほっこりしました。でも読み返すとわからないですね。難しいなあ。
白井 しぶい! いいね: 二日酔いに丁度良かったたりして 失礼
小野 北の方の温泉ですか。いいなー
下河原 紅葉でも見ながら温泉に浸かりたいですね。
9 揚げ蕎麦をつまみほろ酔ひ秋扇 町田 秋扇は残暑に用いる扇。ほろ酔いと暑さに合うかなと。
久保田 華やかな歌舞伎鑑賞前の高揚感が伝わってくる粋な句ですね。
小野 東銀座のお蕎麦屋の2階のひととき。いい感じで再現されてます。
「秋扇」という季語を初めて知りました。
木原 ゆったりと秋の夕暮れを楽しんでいる感じがいいです。
下河原 歌舞伎前に入った「築地さらしなの里」ですかね。良かったですね。
梅原 揚げ蕎麦に酒いいね!
片岡 今夜も大治・辻さんご夫婦などとやりました。日本酒がすすみます。
ショルツ お蕎麦屋さんの昼飲み、良い気分でした。
手塚 秋扇の季語をどのように解釈するかお聞きしたい。
大治 蕎麦屋酒のおつまみの定番。蕎麦味噌、かつ煮もおいしかったですね
白井 いいね! おじさんの典型的行動を絵にしたようで
白鳥 揚げ蕎麦って築地のお蕎麦屋のアレでしょうか?美味しかった!
10 秋歌舞伎カンと拍子木仔獅子跳ぶ 町田 拍子木の音に「秋気澄む」を合わせようかと思ったのですが、やはり歌舞伎を入れないと
わからないかなと思い、秋歌舞伎にしました。
廣瀬 9月の吟行でしょうか?私は行けなかったのですが、拍子木に合わせて仔獅子が飛んだ場面…
私も観たかったなぁ~行った人が羨ましい!
久保田 丑之助君!
ショルツ 跳びましたね~、回りましたね~丑之助君。故吉右衛門さんの笑顔が浮かびます。
大治 歌舞伎座に響き渡る拍子木の音を聞けただけでも歌舞伎観て良かったと思いました
村松 舞台がちょっと目に浮かぶ この句好き
下河原 歌舞伎座の公演良かったですね。私も「村歌舞伎」で俳句にしましたがこの句の方が良いですね。
片岡 私も可歌舞伎で詠みたいと思ったのですが、結構難かしかったです。
一瞬をとらえた所が素晴らしい。
木原 先日の歌舞伎の様子が上手く描写できていると思います。
月足 歌舞伎楽しみました!
白井 いいね
白鳥 獅子の子役可愛かった!「連獅子」幻想的な舞台でしたね。
11 目を寄せてどの子も三粒大根蒔き(だいこまき) 町田 幼稚園での一コマ。掌にみんな3粒種をもらって、真剣に土に置き、
土のオフトンを掛けてあげました。
久保田 「目を寄せて」が良いですね!
手塚 こっけいな大根の種まきの風景です。
月足 三粒きちんと種蒔きするかわいい姿
村松 小っちゃい大根の種 真剣な子供の姿可愛いなぁ
白井 いいね そう根モノ種まき 教わったのはペットボトルの蓋で土にアナあけ
そこの数粒散らかす みえねー
片岡 ー生懸命見てると、寄り目になっちゃうんだ。可愛い。と思ったけど、
いやいや「目を寄せて」は普通に近くで見た、ということでしょうか。
白鳥 大根の種まき。子どもたちの真剣な寄り目(笑)が見えるよう。
ショルツ 子供らしい真剣さが伝わります。素晴らしい教育。
12 間引き菜を整え隣にお裾分け 町田 これも実話。間引き菜は美味しいのでみんな喜んでくれます。
廣瀬 律儀で几帳面な作者のお人柄がよく表れている句ですね!「きっと良い奥様なのでしょう!」
なんて言うとジェンダー平等に反するかなぁ~(汗)
久保田
小野 間引き菜であっても、「整え」に相手を思う気持ちが出ていて、素敵だと思いました。
大治 小さな気持ちが籠っている俳句 いいな
月足 整えがよいですね
下河原 NHK俳句で「間引き菜」を兼題にして講義がありました。
白井 そうですか 農作業基本 無駄なく
13 秋色の駅ポスターに立ち尽くす 小野 実際にはポスターではなくサイネージ。東京駅のエスカレータで見たのですが、
(立ち尽くしたのではなく)立ち止まって見たかったという思いを詠みました。
廣瀬 JR東海の思うツボですね~ でもポスターもそうですが、駅の大型ボード一面の
紅葉・黄葉の写真は迫力ありますよね!「そうだ!京都に行こう!」
町田 マネキンやポスターなどが一足先にみんな秋色になるのに、えっと思う気持ちが私もわかります。
木原 「立ち尽くす」がいいです。よほど秋色が心に刺さったのでしょう。
大治 旅情を誘う紅葉のポスターホント綺麗ですね
村松 紅葉のポスターでしょうか 思わず見とれる感じがわかります
片岡 立ち尽くしたのはなぜでしょう?
白井 すでに秋 秋 とポスターから 新百合イオンでは それまで水着売り場 ちょっとの間
秋セーターうりばに
白鳥 立候補者を見て「えー!この人知ってる」みたいな?それとも想い出の映画のリバイバル?
14 秋旻や近所の路地に長い列 小野 空の青さが印象的なある日、住宅街にできた新しい店の前に30メートルぐらいの列ができて
いました。炎天下だったら並ばないだろうと思い、季節の移り変わりを感じた次第。
秋旻(しゅうびん)には「さわやかに澄んだ秋の空」の意味があるらしく、最初は「秋空」
だったのですが、変えてみました。
下河原 「秋旻」と言う季語が素敵ですね。さわやかな秋空の下でラーメン屋の行列ですか。
白鳥 旻‥そらって読むんですよね。何屋さん?涼しくなって並ぶ気になったんでしょうね。
ショルツ Q 何の列?? 秋旻は秋空と調べました。
木原 Q 何の列か気になります。教えてください。
町田 「秋旻」と言う季語がすごいな。長い列は何の列なんだろう。
白井 しゅうびんて言うんだ! 国語第苦手小生 秋便りからかね 何の列だろう
片岡 秋の澄んだ空を秋旻というのですね。でも長い列が分かりませんでした。
15 浅草や秋は異人と金斗雲 小野 久しぶりに浅草の吾妻橋を渡ったら、橋の上の外国人率は9割ぐらい!
そのせいかアサヒビールのスタルクの彫刻は、中国的というか、孫悟空の觔斗雲に見えました。
金色だから当て字の方の金斗雲を使ってみました。
久保田 本当に今の浅草ってこんな感じ(笑)!
白井 そうですね 外人一機に増え ただC国はまだ意地悪でこないとか おかげ
こちらか行くのも苦労とか?
梅原 インバウンドの雑踏が浮かびます
下河原 Q 浅草にも外国人観光客が戻り出しましたね。金斗雲(孫悟空の雲?)の意味を教えて下さい。?
月足 外国観光客に金の雲が似合う?
片岡 戻ったインバウンドとアサヒビールですね。
白鳥 金斗雲!???
16 聞こえるは末枯れる樹木の悲鳴かな 小野 ビッグモーターの除草剤疑惑から作った句です。木々草花が可哀想すぎる…
ショルツ 樹木の声がもし聞こえたならどんな悲鳴か?!
手塚 今年の秋は短い、真夏から一気に冬の予感です。
月足 末枯れる、秋が深まり、冷え込みに耐えかねる感じが伝わります
大治 松枯れが多いですね、対策はないものか
下河原 末枯れる(うらがれると読むのかな?)と言う表現が裏わびしくて気になります。
白井 そー この暑さで日照り場所 枯れて 我が家の千両も昨年はたくさんの実だったのが
ほとんど枯れて
片岡 季節が落葉には早いのと「悲鳴」という言葉から、この樹は病に冒されたか、
あるいは余りの炎暑に夏枯れしたのか、いずれにしても気になります。
17 三日月に打ち明け話帰る道 ショルツ 帰り電車の車窓に三日月が伴走するようについてきて(きた感じがしてw)、
それが話しかけたくなるような旧友のような表情に見えて、「あのね、、」と。
廣瀬 なんか可愛い句ですね~恋バナかな?でももしかしたら、
仕事のストレスを家に持ち込まない為の愚痴かも~いろいろ想像しちゃいました。
久保田 何を打ち明けたのか気になる〜〜
町田 こんなふうにゆっくりと帰りたいものだと思いました。
小野 わかりますねぇ。何を打ち明けたのか興味津々
手塚 月夜の帰り道にだれと話したのでしょうか。
木原 何を打ち明けたのですか。三日月は黙って聞いてくれたのですね。
月足 少し暗い三日月に促されて、よし話そう
大治 月を見ると話かけたくなる気持ちわかります
村松 誰にも言えない話を三日月にしているのですか 三日月って帰り道に似合う気がする
片岡 月が空にあると、話したくなることがある、そんな状況、何となく想像できます。
白鳥 月と語る‥好きです。そして三日月も好きです。
どんな打ち明け話なんだろう、月にしか言えないこと。
下河原 20の句と連携しているのでしょうか? 気になります。
白井 いつの事だろう? 上限の月なら 願い事かなう?とか
18 三日月に導かれ征け砂の道 ショルツ 息子の中東出張中にバーレーンから陸路移動日がありました。
夜間は避け日中に移動するはずですが、♪月の砂漠♪を連想しました。
白井 なんか 歌「月の砂漠をはるばると・・・」
町田 Q 導かれて征く砂の道ってなんだろう。
片岡 Q 砂の道?
廣瀬 VIVANT?
小野 VIVANTの冒頭…笑?
19 秋空や澄めば澄むほどなぜ哀し ショルツ やっとすっきりと秋になったのに、なぜか完璧な秋空にうろたえ、気圧される変テコな自分。
廣瀬 秋のしみじみとした侘しさ、悲しさが表れた句。ユーミンの「悲しいほどお天気」
という曲はこんな感じなのかな?
下河原 秋は物悲しい雰囲気が有りますよね。
梅原 同感
久保田 同感!私は夏が遠のくのがさみしいのね。
月足 哀しい思い出の季節、あるいは自分の気持ちと裏腹になぜこんなに澄んでいる?
白井 そうですね ちょっと寂し感が でも小生??
白鳥 この気持ちわかります。なぜなんでしょうね。
20 三輪一途(みわいちず)慕い焦がれて秋に果つ ショルツ 10月で閉場する国立劇場の最終歌舞伎公演:妹背山女庭訓のお三輪。身分違いの恋しい人を
一途に追って、会えぬまま(古典歌舞伎特有のある訳で)命まで取られる激しくも哀しい村娘。
演じたのは皆さんと観劇した秀山祭九月大歌舞伎で親獅子を踊った尾上菊之助丈。
勇壮な獅子とは正反対の真女形の大役。歌舞伎界でも数少ない兼ねる役者=二刀流。
国立劇場と運命を共にするに相応しいお役。語れば長い話になります。。。
手塚 Q 三輪一途とは?解説をお願いします。
月足 Q お話伺いたいです
大治 Q 三輪一途 ラーメン店?
下河原 Q 「三輪一途」の意味を教えて下さい。「慕い焦がれて」が意味深です。
白井 えー どなた?へ恋???
21 秩父路の札所巡りて蕎麦の味 手塚 先日、妹夫婦と一緒に秩父旅行に行った時の句です。
廣瀬 良いですね~今年も吟行に参加できませんでしたが、皆さんの句や写真で行った気になってます。
この句を拝見して胡桃蕎麦を頂いた気持ちになりました~
久保田 良いね〜。秩父とお蕎麦と巡礼と。
ショルツ 景色、霊気、空気、お蕎麦の香り、味、多くを伝えてくれます。
下河原 秋は、美味しい蕎麦が食べたくなります。
白井 いいね 秩父34参り まずリタイヤー後の 初目標ですが いつになるのだろー
白鳥 いいなあ。お蕎麦大好き。
22 川音に月夜が寂し別荘地 手塚 これも先日、軽井沢に旅行に行った時に一句。
町田 夏が過ぎると別荘地って何か寂しい。
川音や月って人の気配が感じられずこの通り寂しさが増しますね。
月足 川音のみ響き、明るい夜に寂しさが際立つ
村松 街中とは違って周囲の家の気配がしない別荘地ですか 寂しいくらい静かな時間もまた良いものかと
梅原 夏が終わると寂しい避暑地
片岡 意外に川音の聞こえる別荘地は少ないように思います。月夜にあいますね。
ショルツ 人気のない秋の別荘地は寂しげでしょう。
大治 月夜はもしくは月夜もにしたらいい句
下河原 静かな別荘地がイメージ出来ます。
白井 そーですか? 別荘地も秋閑散かね
23 昼下がりボレロを踊るシャボン玉 手塚 大道芸でいろいろなシャボン玉を操る様子です。
小野 黄色い声が溢れるシーンですが、そこに映画音楽のようにラヴェルのボレロが流れている。
いい物語が始まりそう。
木原 「シャボン玉」を「ボレロを踊る」と描写した感性が素敵です。
ただ、シャボン玉は季語なのでカタカナ表記より平仮名か漢字の方が良かったか。
いやポレロを踊っているならカタカナでも良いかも。
大治 シャボン玉の動きの表現がおもしろですね
白鳥 あのリズムと上下するシャボン玉、景が浮かびます。
白井 オ-レ! かね
24 秋桜や勇者のスクラムつぼみ咲く 手塚 アルゼンチン戦は残念。つぼみは咲きませんでした。
下河原 コスモスが一面に咲き乱れているのでしょうか?
白井 頑張ったけどね 残念 また次回へ
久保田 ラグビーW杯、残念でした。
町田 コスモスの花を猛者のスクラムとたとえているのが面白いです。
ショルツ つぼみが大きく開花してほしい!
月足 次は大きく花開きますように
片岡 アルゼンチン戦は、負けは負けだが清々しい後味を残してくれました。
未来につながる試合だったと思います。心からのお疲れ様を!
25 虫鳴くや廃看板の錆びたねじ 木原 かつて賑わっていたこの場所も、もう誰も来ない。
しかし秋の虫たちは今も相変わらず鳴いている。古い看板のねじが錆びついているのが侘しい。
久保田 秋の寂しさが伝わって来る句。錆びたねじに目が行くのがすごいです。
小野 ひと昔前なら、水原弘の看板とか、車窓から見えましたね。
手塚 秋の物寂しさが十分伝わります。
月足 静かな虫の音、あるじ無き店?古びた看板から錆びたねじへズームインし、
寂しくなった街そのもの、そこに至る日々も感じます
大治 視点が廃看板から錆びたねじに映る、その細やかな感性が素晴らしい
村松 秋の静かな寂しさが感じられました
下河原 虫の音と廃看板の対比が面白いです。
白井 個々の組み合わせ 最高 これもわび・さび?
梅原 下五うまい
片岡 オロナミンCとか由美かおるさんとか、山を下りてきて民家沿いにありました。
ショルツ いい味。冷えて乾いた空気が感じられます。
白鳥 草深い片田舎の雰囲気がよく出ています。ただでさえ古びている看板の、
さらにネジに目がいくその心は?(この看板はキンチョールだな、きっと)
26 停車場(ていしゃば)のからくり時計椿の実 木原 松山の道後温泉駅前に「坊ちゃんからくり時計」があります。
パカッと割れる椿の実と取り合わせてみました。椿は松山市の市花です。
町田 「椿の実」という季語、椿の花が咲いて実になってと時が経つのを感じられ、
時を刻むからくり時計に合っているなと思いました。また、停車場に居る人も年年歳歳
同じ人にあらずと、やはり時の移り変わりを感じて深いなあと思いました。
白井 これも絶妙な組み合わせ 早春の椿の花のころも 想い浮かびます
片岡 お洒落な傍車場だなあ。でもどこでしょう。ちょっと不思議な場所ですね。
27 秋天やA病棟の窓に風 木原 手術前日の新百合ヶ丘総合病院A棟の病室の窓から見た景。手術に対する不安や
全快への期待を「風」「秋天」という言葉に託してみたのだが伝わっただろうか。
廣瀬 この句は様々な想像が巡らされます。上の句と併せて味わうと何とも言えない気持ちに…
A病棟の窓は、きっと外側は季節の移ろいにさらされ、
内側は沢山の人生を見てきたのでしょうね~
小野 病室に風が渡ると希望が出る。風に希望を感じます。最近は窓開閉が厳しくなってきているけど。
月足 入院された病室の窓辺で感じる秋。窓の外の秋晴れに不安な気持ちは少し晴れるのか。
あるいは、お見舞いでの病棟の廊下の窓でしょうか。
大治 外の気持ちよさと病棟にいる鬱屈さの対比がとても伝わってきます
ショルツ どなたかご入院中でしょうか。せめて澄んだ秋の風を感じてほしいとの気持ちか。
下河原 誰か身近な方が入院されているのでしょうか?
白井 闘病中 帰れるとようですね
28 磔刑の案山子おぬしは無罪なり 木原 両手を広げている案山子を見て罪人のはりつけの形に似ていると感じた。
一生懸命人の役に立とうとしている案山子に罪は無いどころか敬意を表したい。
「おぬし」は最初「おまえ」にしていたが案山子と韻を踏んで「おぬし」とした。
久保田 打ち捨てられたカカシの様子が伝わって来ます。
ショルツ 残酷な描写なのに笑いがこみ上げてきますww 「はは~~、ありがたきしあわせ」と案山子さんが
言うか?「何言っちゃってんの?私のお陰でお米がとれるんでしょ!」と反撃を受けるか?
手塚 風景が目に見えます。おぬしが効いている。
村松 支えの木に括られた案山子を磔って言っちゃう でも無罪だぞってユーモラスで優しい句ですね
白鳥 案山子、はりつけにみえるかも。上から目線の「おぬし」が愉快!
町田 そう言えば、秋の案山子は色あせてぐったりしているように感じます。
無罪というより褒めてあげたい(笑)
月足 田畑を守る案山子が重罪ではあんまりですね
大治 案山子 見なくなりましたね。懐かしさと無罪なりの面白みが混在していい句です
下河原 案山子を「磔刑」に譬えているところが面白いです。
白井 かかし 張り付けの刑とみた!
29 青い実や秋の匂いはまだ先か
久保田 青い実は何の実?
町田 秋を待つ気持ちが伝わります。
小野 なんの実でしょうか? 食べられるんですね? 待ち遠しさが伝わります。
ショルツ 次の句と同様、季節の狭間を切り取っていますね。
月足 銀杏も遅れてますか?
大治 実りの秋、まだまだこれから
下河原 最近は、暑い夏が続くので実が熟すことなく青いままで終わってしまうことも有るようです。
梅原 香りの秋待ち遠し
白井 そうですねー
白鳥 栗かな
30 東北道見上げれば行き合いの空
廣瀬 657の破調の句ではありますが、夏の雲と秋の雲が混在して少し不安定な「行き合いの空」に
合っている気がしました。東北道を走っているうちに空の変化に気が付いたというモチーフも
素敵です!
木原 「行き合いの空」は季語なんですね。勉強になりました。
片岡 夏雲と秋の高い雲が一つの景色として浮かぶ行き合いの空、九月らしい空。
白鳥 旅路って感じがして、いいですね。
町田 「行き合いの空」夏と秋が同居している空、いいですね。
ショルツ 新しい季語を学びました。
月足 行き合いの空、味わいのある言葉を知りました
白井 いいね みちのくの秋ですが 今年は一変 北ほど暑き
31 ビニールに詰めた銀杏行方しれず
ショルツ せっかく拾ったのに!
木原 それは残念。
月足 顛末が気になります
下河原 せっかく集めた銀杏を無くしてしまったのかな?
白井 どこに 酔って忘れた? それとも昨年の?
32 卜伝が鹿島の空に豪雨呼ぶ
手塚 塚原卜伝は鹿島神宮に所縁があるのですね。勉強になります。
村松 豪雨 鹿島で 剣豪が呼びつけたような激しい雨っていう発想がいいですね
白井 行った事ない ぼくでんですか? 伝家の宝刀とは違うね!
下河原 Q 「卜伝」の意味は?
ショルツ 豪胆な武将だったようですね。もっと調べてみようっと。
片岡 塚原卜伝という剣豪ですね。昔の映画看板のようでノスタルジックです。
白鳥 塚原卜伝?
33 蒸す道を釣瓶落としと競う足 月足 残暑は続くのに、日没は着々と早くなることに例年以上に焦る
手塚 つるべ落としという秋の季語が良いですね。
大治 まだまだ暑さが続くのか、でも季節はかわっている感じがうたわってきます
村松 まだ蒸し暑いのにいつのまにか日が短くなっている今の季節を上手に表していますよね
下河原 暑い中、日が暮れる前に帰ろうとしている様ですかね。素敵です。
白井 そー 秋なのに 夜も熱帯夜だった
木原 暗くならないうちに帰ろう。でもまだ少し暑くて汗ばんできた。
片岡 「蒸す道」が今年の実感です。
白鳥 夕方でもまだまだ暑い。それでも走る。
34 月見豆そろそろあてに午後八時 月足 お供えの後は、お酒の友
廣瀬 月見豆が枝豆の事とはつゆ知らず…丸いお豆さんを団子の様に15個お供えするのかと思って
しまいました(汗) 枝豆を月にお供えして月見酒を楽しんでいたのですね?
20時なら枝豆食べてももう罰は当たらない時間だと思いますよ~
久保田 遅い時間の晩酌だなあ。「月見豆そろそろあてに」のところは秋の晩酌感が
よく出ていると思います。
町田 「月見豆」って枝豆のことなんですね。月見豆と呼ぶことで風情がでますね。
小野 枝豆を月見豆というのですね? 洒落た言い方があるものです。
木原 いいですね。ビールですか、日本酒ですか。
ショルツ 枝豆の別名、風情ありますね。
白井 そう 昔はお月見へ上げたもの 取りに来たとか また取られた方が良いようで おやじから聞いた
35 朝昼と予報転々雨の月 月足 今晩、名月を見れる?見れない?結局見れず。
ショルツ ホント、涼しくなったのはいいけど、急な雨、びっくりします。
梅原 予報外れよくありました
片岡 仲秋の月を期待した九月二十九日は雲が出たり晴れ間が見えたりしました。
でもそんな一日もいいもんだと思います。
下河原 最近は、突然の豪雨が多く予報もしょっちゅう変化しますね。
白井 と 秋の空ですね
36 赤い羽根つけて治るか不整脈 月足 自分のために赤い羽根つけてはいけませんね
白鳥 治るわけないけど(笑)。愛すべき句です。
町田 ほんと?
ショルツ えー!赤い羽根で?!
木原 なるほど、分かります。何にでも頼りたくなる心情。
下河原 不整脈をお持ちなんですか?お大事にして下さい。
白井 無理だねー 節制をしてください
37 古民家や煙(けむ)に燻され秋の暮 大治 百年以上経っている千葉の古民家に泊まりました。
その時の4句。囲炉裏の煙に燻され家の梁は真っ黒でした
木原 「燻され」という表現が秋のさびれた古民家によく合っていますね。
白井 いいね いろりのある家 でも寒い記憶が
片岡 囲炉裏で一杯ですか、いいですね。あの温かい匂いが大好きです。
久保田 古民家でお魚を焼いているのでしょうか。
白鳥 古民家と秋はよく合います。
38 囲炉裏端丸座陣取り芋食らふ 大治 囲炉裏の芋煮鍋ができた、さあ食べるぞの戦闘体制です
小野 1句目から3句目まで連作ですね。古い民家にいるおしゃれな現代人の芋三昧(笑
月足 リズム良く痛快な感じ!それにしても、どんな一団なのでしょう?
下河原 囲炉裏を囲んで焼き芋を食べているのでしょうか?美味しそうですね。
白鳥 囲炉裏もあるのね。ここで食べるのはやっぱりお芋(ピザではなく)。
ショルツ このシチュエーションだと美味しさ倍増。「食べる」でなく「食らふ」と言うとさらに美味しそう。
手塚 これも美味しそう。秋の味覚。
白井 いいね 昔懐かし風景
39 ぷくぷくと新米炊ける竈かな 大治 お釜の蓋の近くにお米を炊く泡がまさにぷくぷくと吹き出ていました
町田 「ぷくぷく」ってすごく美味しそう。ご飯大好き、食べたいです。
ショルツ 最高のご馳走!「ぷくぷく」が効いてます。
手塚 かまどで炊く新米。なんと美味しそう。
村松 竈で炊く新米美味しそう
梅原 上五がおいしさを引き立ててます
下河原 新米が美味しい季節になりました。
白井 いいね 昔 母実家に行くと 囲炉裏があり かまどに最後に杉の葉くべるのが 子供の仕事だった
片岡 シメにカマドメシ、言う事なし!
白鳥 竈もあるんだ!
40 秋あがり一夏超して熟女かな 大治 女性陣ごめんなさい、セクハラ俳句です。日本酒好きの男性が集まるとお酒の味わいを女性に
例えます。夏酒は清々しくピチピチとした女子学生。味わい豊かで優しいお酒は吉永小百合さん。
そして一夏寝かされ豊潤で豊かな味わいになる秋あがりはまさに熟女。成熟した色気があります。
廣瀬 一夏を越してまろやかで魅力的になるのは、お酒も女性も同じなのですね~ 私も人もお酒も
nouveauよりancienの方が好きです。勉強になりました。
久保田 熟成を熟女に例えたのね。
白井 そうー 熱い夏を過ごしたのが最高に 人生も暑き日を過ごした女性が?
下河原 Q 熟女は誰なんでしょうか?
ショルツ 熟成したお酒のことですね。
木原 「秋あがり」は熟すのですね。それを「熟女」と言って「かな」で詠嘆するとは、やりますねえ。
月足 秋に熟すお酒、なるほど
白鳥 日本酒の熟す季節。熟女か(笑)
41 待ちわびた柚子の実をみな鳥食らふ 村松 友人がそろそろ捥ごうと思っていた柚子の実を鳥に全部食べられたーと悔しがっていました
小野 戸建てに住む人らしい句(笑) 悔しがる作者の心情、お察しします。
手塚 なんとも残念。鳥が喜んだことでしょう。
月足 鳥もよく知ってます。少し早めに獲るしかない?
下河原 せっかくなった柚子の実を全部鳥に食べられてしまったのですかね。
ショルツ あ~あ、残念無念。。。
白井 すーっぱいけど 砂糖煮かね
白鳥 怒りを抑えてね。鳥たちは喜んでいるんだから。
42 齢重ねこだわりを捨つ秋思かな 村松 いろいろなこだわりがなくなって楽なんですが それもちょっと寂しいような複雑な心境
廣瀬 良い句で、良いお考えですね~ 私も人生の秋期に向けて拘りや恰好付けを捨てて
自然体で振る舞える爺イになりたいです。
木原 私などは年をとってこだわりが増えそうだけど捨てられるとは偉いなあ。
白井 そうですね でも 他から見ると ますます頑固になるおやじです といわれる
梅原 同感です
白鳥 加齢とともにこだわり強くなるよね。「こだわりを捨つ」私もこうありたい。
久保田 同感です。
町田 これもわかります。こだわりがなくなるというか、忘れやすいというか・・・
ショルツ そんな境地になりたい!
手塚 同い年の我々の心境でしょう
下河原 秋は物思いにふける季節ですね。
片岡 こだわりなき者の秋思、ある意味純粋な季節への共感ですね。
43 手を合わせ視界の端に彼岸花 村松 お墓のそばに植えた覚えはないのに咲いている彼岸花 以前娘と一緒に雑草と間違えて
抜いちゃったこともあるのにまた生えてる
久保田 所々に咲く彼岸花。秋ですね〜。
町田 赤い彼岸花かな。この風景経験がありそうです。
ショルツ 秋のお墓参りの鮮やかなアクセント。
大治 お墓参りに行くとこんな感じです。この間白い花の彼岸花をみました。なかなか綺麗な花でした。
白井 そうです彼岸花 は何もない場所から突然のみ花が咲き、故人からのメッセージのような
44 よーいどん幼子の顔菊日和 村松 よーいどんで走る一歳児 笑顔も空も秋晴れ
廣瀬 幼稚園の運動会でしょうか?秋晴れの空の下、スタートを切った様々な子供たちの表情が
頭に浮かんできました!
月足 菊日和が待ちに待った行事にもつながり、楽しい一景が浮かびます
下河原 幼稚園の運動会でしょうか?幼子の笑顔をイメージします。
片岡 秋の運動会、子どもの撮影にビデオをかまえたことを思い出します。
場所取りが大変でしたが、今はどうなんだろう。
ショルツ お孫さんの運動会?
木原 お孫さんの保育園の運動会だろうか。可愛らしいいい句なんだけど、季語はなぜ菊日和なのだろう。
白井 秋の運動会 いいね
白鳥 運動会でしょうか。小さい子の姿は癒しですね。
45 葉月潮(はづきじお)車景まどろむ紺の凪 下河原 9月の連続イベントでの4句です。
伊豆急行に乗って伊豆半島の海岸線を電車で走りながらの一句です。
久保田 葉月潮、初めて聞きました。「まどろむ」と「紺の凪」がとても親和性があり、
海沿いの車両での贅沢な時間が伝わってきます。
町田 「葉月潮」という季語が素敵。静かな紺色の海が見えます。
ショルツ 趣ある言葉からその時期ならではの海景色が見えます。
手塚 葉月潮という季語、人の名ような紺の凪も意味深です。
木原 「葉月潮」素敵な季語ですね。初めて知りました。
月足 月も潮も満ち、幸福も満ちています
大治 紺の凪とまとめるあたり俳句の名人ですね
村松 まどろむように凪いだ海 揺れに任せてまどろむ作者 どちらともとれる句ですね
白井 秋十五夜期 大潮ですか? まだ海は夏 潮は黒いよね
梅原 気持ちよさが伝わります
片岡 秋ならではの混い紺の、大潮の海が見えます。
46 高原に銀のしずくや秋の蝶 下河原 伊豆高原で秋の蝶のウラギンシジミ(裏羽が銀色に輝いているシジミ蝶です)が舞っている様です。
残念ながら今回は見れなかったのですが・・・昔見たのを思い出して・・・
木原 早朝の涼し気な高原に秋の蝶が。そんな景が浮かびました。
白鳥 草野の蝶を「高原の銀のしずく」。言いえて妙です。
ショルツ 一転してみずみずしい高原の一コマ。
大治 16番は金でこの句は銀、蝶を表す色ですね
白井 さすがに朝晩は高原では寒く 蝶は日の出をもって活動かね
47 連獅子や親子の絆村歌舞伎 下河原 9月の歌舞伎公演での連獅子を鑑賞しての一句です。
「村歌舞伎」が歳時記で秋の季語でしたので使って見ました。
廣瀬 村歌舞伎…観たことはありませんが、きっと素朴で人情溢れるお芝居なのでしょうね~
そして「連獅子」は、日本全国津々浦々で演じられている超スタンダードな演目なのですね~
まさに日本の文化!
小野 確かに銀座で見たけど、村歌舞伎と感じさせる演目、ありましたね。
大治 村歌舞伎に歌舞伎の原点を感じさせられました
ショルツ 力一杯跳ね、毛を振る小獅子さん、見てみたい。各地で続く伝統芸能、受け継がれていきますよう。
月足 村歌舞伎での、親子の芸もまた一興
白井 いいね 見たかった
白鳥 歌舞伎座の連獅子?村歌舞伎としたところがナイスです。新しい意味を感じます。
48 葛嵐母屋吹き抜け皆倒る 下河原 イベントの最後は、コロナを家に持ち込んでしまって家中をクラスターにしてしまい
色々な面 でひどい目に会いました。
大治 葛嵐 どうしたらこのような言葉がでてくるのか不思議。
そしてその言葉を使いきる作者の力量に脱帽
白井 Q うー 何処の旧家だろう?
片岡 現代の家にはない、開口部の大きな大部屋いっぱいに、前の葛原から吹き込む秋風。
大きな景ですね。
49 おはぎ添ふ汗だく参り秋彼岸 白井 早くも彼岸の入りなのに 猛暑日 いつまで続くのだろう でした。
廣瀬 本当にその通りですよね~ 「汗だく参り秋彼岸」だなんて、昔だったら絶対に詠まれなかった
フレーズです。暑くておはぎも溶けちゃいそう…
梅原 今年は暑さ寒さもは通用せず
ショルツ 「暑さ寒さは彼岸まで」ではなかった今年。
下河原 9月のお彼岸は、墓参りに行きましたがまだまだ暑いですね。
白鳥 9月も暑かった!お墓参りお疲れさまでした。
50 水月にきらめく川面秋の宵 白井 今年の十五夜 会社帰り 多摩川沿いで見学 一瞬月がでて水に映りそうでだめ
帰りは雨がぽつぽつ
小野 風流な秋の風景。残念ながら私の日常とは程遠い。
木原 秋の宵に素敵な景と出会えたようですね。
大治 鎌倉東慶寺の水月観音様を思い出します。川面の月を眺める人の心持がいいですね
村松 水面に映る月がユラユラときらめくきれいな景色
下河原 川面に映った月のイメージが素敵な風景をイメージ出来ます。
片岡 川の流れる音も鈴のよう。
町田 「水月」とは水面に映る月のことでしょうか。きれいな句です。
51 宵かがり花棒堅めお宮入り 白井 4年ぶり地元祭礼 神輿上がるか?大変不安でしたが 何とか ただ今後どうか?です
久保田 お神輿担ぎですか。花棒の意味が分かって口径が広がって来ました。
町田 家の方でも宮入で沢山のお神輿が集まってきます。宵かがりや花棒堅めなどの言葉が効いています。
手塚 花棒はお神輿の担ぎ棒のこととはつゆ知らず。
月足 花棒など、お祭りの中枢にいらっしゃる方の句ですね
大治 言葉使いがとてもうまい。宵かがりの中のお宮いり、祭もクライマックス
小野 Q 神輿かつぎ?
ショルツ お祭を熟知しないと出てこない言葉の数々。厳粛な氣を感じます。
片岡 美しい日本画を見る思いがします。
52 紅茶つぐ暑きを偲ぶ秋の午後 白井 一連の秋行事、猛暑中終え 気が付けば やはり秋らしきくなった 今日このころ
ショルツ やっと暑さから解放されやれやれ。紅茶
村松 少し涼しくなって熱い紅茶を楽しめる季節になりました
白鳥 あの暑さ、決して偲びたくないけど(笑)。紅茶と秋の午後がぴったりです。
月足 暑すぎた夏ゆえに偲ぶ気持ちもわかります
下河原 まさに「午後の紅茶」ですね。
53 釣瓶落とし家路を急ぐ孫来たり 梅原 夕餉が早くなり急ぎ足で帰宅する際に一句
廣瀬 とにかく作者がお孫さんに合う事を何よりも楽しみにしている様子がストレートに伝わってくる
良句です。まだ日暮れが早いという事はないと思いますが、家路を足早に急ぐ表現としての
「釣瓶落とし」が効いてます。
久保田 なるほど〜。お孫ちゃんたち、暗くなったら帰るのね。
月足 日も暮れるし、お孫さんも待ってる
白井 お孫さんくるので はや帰り? いいね
片岡 暗くなる前に、というより孫と会うのが待ち遠しい、ですね。
小野 Q どんな情景なのか解説を聞きたいです。
ショルツ 気が急きますね〜
木原 お孫さんの来る楽しみな感じが出てますね。ただ三段切れかも。
大治 可愛い孫に会える楽しみで足が急く。気持ちわかります
54 思い出を語る老父や秋深し 梅原 久々に酒を酌み交わした際に一句
町田 しみじみとしたお父様の話を優しく聞いている作者がみえます。
ショルツ 大切な思い出、しみじみ味わうのに良い季節。私も父にもっときいておけばよかった。
木原 晩秋の静かな時間が流れている感じが良いです。
村松 お父さまの思い出話をしみじみと聞く秋の日 親の老いはちょっと切ない
下河原 老父が人生を語っているのでしょうか?
白井 未だお元気で? そういゆわが身も 飲むと昔話
片岡 父が亡くなる前に、こんな夜をもってみたかった。
55 秋暑しボディシートを手放せず 梅原 いつまでも手放せなくなりました
月足 ボディシートで秋暑しがとてもリアルになります
下河原 いつまでも暑い日が続きましうたね。ようやく最近秋めき出しました。
白井 そう でもボディーシートと汗拭きタオル涼しい版?ですか
白鳥 9月も暑かった!これ実感です。
56 秋鯖や盃すすむほろ酔い顔 梅原 今年もおいしくいただきました
小野 ご満悦な様子が伝わってきます。秋鯖と日本酒。いかにも美味しそう。
手塚 秋鯖ですか。やっぱり日本酒ですね。
大治 脂が乗った秋鯖の美味しさは格別。ほろ酔いになるな
下河原 「秋鯖」と「お酒」の取り合わせが良いですね。
白鳥 秋刀魚が超高級魚となり、鯖が秋の友ですね。
白井 『秋サバはよめにくわすな!』いったっけ(茄子) 油のっていいよね
でも今年東京湾はくるのが遅れて・かも
57 老松(おいまつ)は秋の天への道なりや 片岡 学校の広い前庭には、立派な黒松が空へと太い幹を延ばしています。
その根もとから見上げてつくりました。空が高くなると、亡き人たちを偲ぶ心がおのずと
浮かぶようになりました。そんな四句です。
町田 幼稚園に1本の背の高い松があります。実はこの夏隣の一本が枯れて切り倒したばかりで、
秋空に映える残った1本の松がこの句とピタリあっていて、びっくりしました。
小野 何を見たのでしょうか? 壮大な絵が浮かぶのですが。
月足 なるほど。松への見方が変わる一句。
大治 なりやとしたところに作者の気持ちがわかるような気がします。
我々も老境に差し掛かり秋の空のようにすがすがしくそして伸び伸びと生きたいものです
村松 曲がりくねった枝は天へと続くのですね
下河原 「老松」を自分の人生に重ねて見たのでしょうか?
白井 いいね 『天高く・・秋』の代名詞のような 空へ 松が
白鳥 うねった幹が秋空に続いている。
58 時雨るるや利休鼠の空よりも 片岡 雨曇りの実景というよりも、内面の風景を、少し感傷的にあえて「時雨」という晚秋の
季語を使って、まだ明るい世界に対照させてみました。
木原 利休鼠という色の事なんだ。
大治 利休鼠 日本語の奥深さがこの言葉の中に表れていて感激です
下河原 「時雨るるや」と「利休鼠」の表現が素敵です。
白井 利久鼠 色 しぶい わび・さびの世界 秋雨が
手塚 利休鼠って色の表現とは。その博識に感激。
白鳥 どんよりした空も「利休鼠」とすると急に雅やか。
59 ぬるき雨濡れてゆく吾(あ)を栗は笑む 片岡 思い出にとどまろうとする心を、季節は笑いながら先へと促します。
廣瀬 秋雨は寒いはずですが、季節のズレでぬるい秋雨に?? その状況で濡れて歩く作者を
イガから顔を覗かせた栗が笑っている様だと。。可笑しみとウィットに富んだ句だと思いました。
小野 これもジャンプの仕方が素晴らしく17字の中に広い空間を感じます。
ショルツ カパっとなった栗はまさに破顔。それをいたずら小学生が囃し立てるように見た可笑しさw
手塚 ぬるき雨も栗は笑むという表現も秀逸です。
月足 初秋の生暖かい雨を感じます
下河原 「栗は笑む」の表現が面白いです。
梅原 風情ある句
白井 いいね あたたかな小雨で お孫さんといっしょ かね
60 葉陰より透かす花火の轟きや 片岡 父の初盆の年には、家の前の草原の樹々が大きく枝打ちされ、山の向こうの
読売ランドの大花火がきれいに見えました。あれから十年、今年は繁った葉を透かして色めき、
大きな音を響かせました。父を身近かに感じました。
久保田 私も全く同じ経験をしました。今年の夏の初花火が葉陰からでした。
小野 これもですね。3つの句に共通するのが広がり。まるで視点が複数あるようです。
白井 そうそう 最近秋花火ですね いいね
白鳥 遠花火。無理して近くで見ようとしない味わい方が大人です。粋。
ショルツ 葉陰越しの花火はまた別の見方か。
61

秀山祭現消し去る柝の音かな

*現(うつつ)、柝(き)

白鳥 秀山祭は歌舞伎界では季語でしょう(きっと)。憂き世を忘れる観劇は楽しい!
久保田 確かに!歌舞伎の音に触れると、現実を忘れます。
ショルツ 秀山祭は歌舞伎ファンにとっては9月の季語。故吉右衛門さんは秀山祭(お家の芸を披露、
継承の場)とお孫さん(連獅子の子獅子を9歳で踊った丑之助君)の成長に晩年を捧げていたように
見えました。鬼平打ち切りは寂しかったけれどそのためでした。
残暑厳しい9月に精魂を削っていらしたかと、最後の舞台を思い出します。
大治 演じる人そして音を奏でる人。歌舞伎良かった
村松 柝の音で現実から歌舞伎の世界へ切り替わるのが感じられます
下河原 9月に鑑賞した歌舞伎座公演ですね。現消し去る柝の音と言う表現が独創的ですね。
片岡 中村吉右衛門さんゆかりのお芝居は、演者の方々がしっかり思いを込めた見応えのある
ものばかり、しばし現実を忘れ夢の世界でした。ショルツさん、改めてありがとうごさいました。
手塚 読み方が難しいですが、拍子木の音色が聞こえるようです。
木原 確かに現実を超越した世界を見た気がした。
月足 現を忘れる貴重なひと時でした。音で気持ちが切り替わりますね。
白井 先日 歌舞伎のお話ですね 行きたかった
62 歌舞伎座の灯に浮かれ客秋の宵 白鳥 歌舞伎座の前ではしゃいで集合写真を撮っていたのは私たちです。
廣瀬 歌舞伎を観終わった客なのか?東銀座や築地界隈で一杯飲った酔っ払いなのか?
アフターコロナで街が浮かれている様子を軽妙に表現した良句ですね~
小野
梅原 中七いいですね
ショルツ 浮かれましたね~~。奇跡の総見でした。
月足 歌舞伎座前の灯り、様々な色合い。演目への想い。
下河原 歌舞伎座公演も賑わっていましたね。
白井 いいね いいね
63 鈴虫の月光を織るアリアかな 白鳥 十四夜の月を堪能しました(十五夜はあいにくの曇り)。鈴虫の音が月まで届きそうだった。
廣瀬 完全に理解できた訳ではありませんが、「鈴虫」と「アリア」が高い親和性で響き合い、
「月光を織る」という表現も非常にユニークで、幻想的な句だと感じました。
でも私が知らないだけで、何かへのオマージュの句なのかな?
町田 虫の音から月光を織るアリアなんて全く思いつきません。すごい!
小野 これは素敵! 独唱でなくても壮大な一塊の声に聞こえるかも。しかも月光との組み合わせ!
大治 歌舞伎とはまた違って自然の音の奏でですね
白井 鈴虫音色 バイオリンの音色ような 月を織り込む音色 うーそんな感じ?? 深い
片岡 月光と鈴虫の音が心におこす化学反応。
ショルツ 「月光を織る」なんてどうやって出てくるのでしょう!
木原 季重なりが少し気になりますが、主役は鈴虫なのでしょうね。
64 亡き人の御魂(みたま)呼ぶ山鷹渡る 白鳥 夏に行った恐山。白い極楽浜をよぎる大きな鳥影は、たぶんトンビだったな…
ショルツ 恐山でしょうか? あの世とこの世を空から眺め行き来するのは鷹が相応しい。
「鷹渡る」が季語と知りました。
手塚 鷹渡るという季語に想像力が膨らみます。
木原 荘厳な雰囲気のいい句ですね。「鷹渡る」という季語を選んだ理由に興味があります。
月足 鷹渡る(刺羽が南方に帰る)がよく呼応しているように感じました
片岡 鳥居という位で、魂と鳥の親和性は古来から言われるところ、まして鷹が山を越えていく姿は、
亡き人の招魂そのもののようです。
小野 鷹を出したところがすごい
下河原 「恐山」をイメージしました。
白井 ちょっと寂しげ 鷹の鳴き声が 山々の寂しくこだま